「要介護1です」と書かれた通知を見て、その場では納得したつもりだった。
でも、ケアマネジャーに相談したら言われた。「この介護度だと、介護ベッドと車いすは介護保険では借りられません」。
福祉用具の相談で在宅を回っていると、この場面によく居合わせました。要介護2が出なかったために、介護ベッドと車いすが借りられないというご家庭です。そこから区分変更申請をして、実際に借りられるようになった方もいます。ただ、区分変更をしても介護度が変わらなかった方もいました。その場合は自費レンタルで対応していました。
「結果に納得いかない」と検索する家族の多くは、介護度の数字そのものに怒っているわけではありません。その数字のせいで、必要なものが手に入らないから困っているのです。
この記事では、認定結果に納得できないときに使える手を4つに整理します。介護保険法の条文と、厚生労働省・都道府県が公表している資料をもとに、それぞれ何日かかって、何ができて、何ができないのかをはっきりさせます。
先に結論を書いておくと、いちばん有名な「審査請求(不服申立て)」は、いちばん時間がかかって、しかも通っても介護度が上がるとは限りません。多くの家庭にとっての現実的な一手は別にあります。
要介護認定 関連記事の役割整理
この記事は「結果が出たあと、納得できないときに何ができるか」を選ぶための記事です。申請そのものの手順は要介護認定の申請方法と手順、調査当日の伝え方は介護認定調査で家族が伝えるべきこと、区分変更の手続きそのものは介護保険の区分変更申請で確認してください。
審査会の運用や窓口の案内は都道府県・市区町村によって異なります。個別の対応は担当ケアマネジャーまたはお住まいの市区町村へご確認ください。
結論|「納得いかない」の中身は、たいてい介護度の数字ではない
相談を受けていて感じるのは、家族が本当に困っているのは「要介護1と言われたこと」ではなく「要介護1だと借りられないものがあること」だ、ということです。
そして、この2つは打ち手がまったく違います。
- 介護度そのものを変えたい → 区分変更申請、または審査請求
- 用具が借りられればそれでいい → 例外給付、または自費レンタル
後者なら、介護度を変えなくても解決することがあります。ここを知らないまま「不服申立て」を調べ始めると、4か月以上かけて、結局ほしかったものが手に入らないということが起こります。
まず確認する|要介護2の壁で、何が借りられなくなるのか
介護保険の福祉用具貸与には、軽度者(要支援1・要支援2・要介護1)は原則として借りられない種目があります。厚生労働省の資料では、次のように示されています。
要支援・要介護1の者(軽度者)に対する以下の種目については、介護保険給付は原則対象外。
<軽度者が原則給付対象外となる福祉用具>
・車いす(付属品含む)・特殊寝台(付属品含む)・床ずれ防止用具・体位変換器・認知症老人徘徊感知機器・移動用リフト(つり具の部分を除く。)・自動排泄処理装置(※)自動排泄処理装置(尿のみを自動的に吸引するものは除く)については、要介護2及び要介護3の者も、原則給付の対象外。
厚生労働省「要支援・要介護1の者に対する福祉用具貸与について」
つまり、要介護2が出るかどうかで、借りられるものが変わります。これが「要介護2の壁」と呼ばれる線です。
| 種目 | 要支援1・2/要介護1 | 要介護2以上 |
|---|---|---|
| 車いす・車いす付属品 | 原則対象外 | 対象 |
| 特殊寝台(介護ベッド)・付属品 | 原則対象外 | 対象 |
| 床ずれ防止用具・体位変換器 | 原則対象外 | 対象 |
| 認知症老人徘徊感知機器 | 原則対象外 | 対象 |
| 移動用リフト(つり具を除く) | 原則対象外 | 対象 |
| 自動排泄処理装置 | 原則対象外 | 要介護4以上が対象 (要介護2・3も原則対象外) |
| 手すり・スロープ・歩行器・歩行補助つえ | 介護度にかかわらず対象 | |
手すり・スロープ・歩行器・杖の4種目は、要支援1からでも借りられます。介護度別の詳しい一覧は要支援1・要介護1で借りられる福祉用具は?介護度別の早見表にまとめています。
ここを先に確認してください。ほしいものが手すりや歩行器なら、そもそも介護度を争う必要がありません。介護ベッドや車いすなら、次の4つの打ち手を比べることになります。
打ち手は4つある
認定結果に納得できないときに使える手は、大きく4つです。かかる時間と、できること・できないことが違います。
| 区分変更申請 | 例外給付 | 自費レンタル | 審査請求 | |
|---|---|---|---|---|
| 根拠 | 介護保険法29条 | 厚生労働大臣が定める告示 | 制度外(自己負担) | 介護保険法183条 |
| 何を変えるか | 介護度そのもの | 用具だけ (介護度は変えない) |
何も変えない | 処分の取消し |
| かかる期間 | 原則30日以内 | 数日〜数週間 | すぐ | 4〜6か月程度 (福岡県の公表値) |
| 期限 | いつでも | いつでも | — | 知った日の翌日から3か月 |
| 介護度が下がる可能性 | ある | ない | ない | ない |
| 判断するのは | 市区町村の 介護認定審査会 |
市区町村 | — | 都道府県の 介護保険審査会 |
この表で目を引くのは、期間の差だと思います。区分変更は30日、審査請求は4〜6か月。同じ「結果に納得いかない」への対応でありながら、決着までの時間が5倍以上違います。
打ち手1|区分変更申請|30日で決まり、申請日にさかのぼる
介護保険法29条1項は、こう定めています。
要介護認定を受けた被保険者は、その介護の必要の程度が現に受けている要介護認定に係る要介護状態区分以外の要介護状態区分に該当すると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、市町村に対し、要介護状態区分の変更の認定の申請をすることができる。
介護保険法 第29条第1項
区分変更は前の結果を争う手続きではありません。「今の状態はこの介護度ではない」として、認定をもう一度受け直す手続きです。
実務でこれが選ばれる理由は、条文を読むとはっきりします。
- 原則30日以内に結果が出る(法27条11項を29条2項で準用)
- 認定の効力は申請した日にさかのぼる(法27条8項)。結果を待っている間の分も、後から介護保険の扱いにできる
- 期限がない。認定から何か月たっていても申請できる
ただし、注意点が2つあります。
1つめ。区分変更は新しい認定なので、介護度が下がることもあります。上がることを期待して出したのに、下がって戻ってくる可能性がゼロではありません。しかも介護保険法30条1項では、市区町村が職権で区分変更(引き下げ)をすることもできると定められています。
2つめ。条文は「状態が変わったこと」を前提にしています。「結果に不満だから」という理由が条文に書かれているわけではありません。ただしこの点については、後述するように国会でも実態が指摘されています。
手続きの流れ、必要なもの、下がる可能性については介護保険の区分変更申請とは?タイミング・期間・介護度が下がる可能性で詳しく書いています。
打ち手2|例外給付|介護度を変えずに、用具だけ通す
ここが、いちばん知られていない手です。
要支援・要介護1でも、一定の条件に当てはまれば、車いすや介護ベッドが例外的に給付対象になります。厚生労働省の資料には、次のように書かれています。
ただし、厚生労働大臣が定める告示に該当する対象者については、要介護認定における基本調査結果等に基づく判断があった場合や、または、市町村が医師の所見・ケアマネジメントの判断等を書面等で確認の上、要否を判断した場合には、例外的に給付が可能。
厚生労働省「要支援・要介護1の者に対する福祉用具貸与について」
判断のもとになるのは、認定調査の基本調査の結果です。
| 種目 | 対象になる状態 | 基本調査の結果 |
|---|---|---|
| 車いす・付属品 | 日常的に歩行が困難 または日常生活範囲における移動の支援が特に必要 |
1-7「3.できない」 ※「移動の支援が特に必要」には対応する基本調査結果がなく、主治医から得た情報や福祉用具専門相談員等が参加するサービス担当者会議を通じて、居宅介護支援事業者が判断する |
| 特殊寝台・付属品 | 日常的に起きあがりが困難/寝返りが困難 | 1-4「3.できない」 1-3「3.できない」 |
| 床ずれ防止用具・体位変換器 | 日常的に寝返りが困難 | 1-3「3.できない」 |
| 認知症老人徘徊感知機器 | 意見の伝達・介護者への反応・記憶または理解に支障がある、かつ移動において全介助を必要としない | 3-1「1.伝達できる」以外、または3-2〜3-7のいずれか「2.できない」、または3-8〜4-15のいずれか「1.ない」以外 (主治医意見書に認知症の症状がある旨の記載がある場合も含む) 2-2「4.全介助」以外 |
| 移動用リフト (つり具を除く) |
日常的に立ち上がりが困難 または移乗に一部介助・全介助が必要 または段差の解消が必要 |
1-8「3.できない」 2-1「3.一部介助」「4.全介助」 ※「段差の解消が必要」には対応する基本調査結果がなく、サービス担当者会議を通じて居宅介護支援事業者が判断する |
| 自動排泄処理装置 | 排便において全介助を必要とする、かつ移乗において全介助を必要とする | 2-6「4.全介助」 2-1「4.全介助」 |
徘徊感知機器と自動排泄処理装置は、2つの条件を「いずれも」満たす必要がある点が他の種目と違います。徘徊感知機器は「移動が全介助ではないこと」が条件に入っている点にご注意ください。
さらに、基本調査で「できる」と出ていても、医師の医学的な所見に基づいて次のいずれかに当てはまると判断され、サービス担当者会議等を通じて必要と判断された場合は、市区町村が書面で確認したうえで給付が可能とされています。
- 状態が変動しやすく、日によって・時間帯によって対象者に該当する(例:パーキンソン病の治療薬によるON・OFF現象)
- 状態が急速に悪化し、短期間のうちに該当することが確実に見込まれる(例:がん末期の急速な状態悪化)
- 身体への重大な危険性や症状の重篤化の回避等、医学的判断から該当すると判断できる(例:ぜんそく発作等による呼吸不全、心疾患による心不全、嚥下障害による誤嚥性肺炎の回避)
この手のいいところは、介護度を変えずに済むことです。区分変更のように下がるリスクがなく、審査請求のように何か月も待つ必要もありません。動くのはケアマネジャーと医師、そして福祉用具専門相談員です。
介護ベッドを例にした具体的な進め方は介護ベッドは要介護1・要支援でも借りられる?例外給付の条件にまとめています。「借りられません」と言われた段階でこの記事を読んでから相談すると、話が早いことが多いです。
打ち手3|自費レンタル|変わらなかったときの現実解
区分変更をしても介護度が変わらず、例外給付にも当てはまらない。この場合に残るのが自費レンタルです。
相談の現場で実際にいちばん多かったのは、正直に言うとこの形です。区分変更を出して、待って、結果が同じで、それから自費に切り替える。
ただ、自費レンタルは思われているほど高くありません。介護保険を使ったときの自己負担が1割であることと比べると高く感じますが、購入と比べれば初期費用がかからず、状態が変わったときに交換できます。そして、あとから介護保険の対象になったときに切り替えられるかは、始める前に事業者に確認しておくべき点です。
金額の目安、事業者に確認しておくべき3点、購入との比較は例外給付の記事の後半にまとめてあります。車いすについては車いすは要支援・要介護1でもレンタルできる?条件と料金もあわせて読んでください。介護ベッドの月額そのものと、保険レンタルに切り替わったときいくらになるかは介護ベッドのレンタル料金はいくら?で解説しています。
打ち手4|審査請求|制度として何ができて、何ができないのか
ここまで読むと「では審査請求は何のためにあるのか」と思われるかもしれません。制度として正確に整理します。
誰に対して、いつまでに、どうやって出すのか
介護保険法183条1項は、審査請求の対象をこう定めています。
保険給付に関する処分(被保険者証の交付の請求に関する処分及び要介護認定又は要支援認定に関する処分を含む。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金……に関する処分に不服がある者は、介護保険審査会に審査請求をすることができる。
介護保険法 第183条第1項
要介護認定の結果は、この「要介護認定又は要支援認定に関する処分」にあたります。被保険者証の交付請求に関する処分や、保険料の処分も対象です。
出し先は都道府県に置かれた介護保険審査会(法184条)。処分をした市区町村を区域に含む都道府県の審査会に対して行います(法191条1項)。
期限と方式は法192条です。
審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して三月以内に、文書又は口頭でしなければならない。ただし、正当な理由により、この期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、この限りでない。
介護保険法 第192条
条文上は「文書又は口頭で」とされています。ただし実際の案内は都道府県によって違い、たとえば大阪府は「原則として書面で」と案内しています。お住まいの都道府県の審査会に確認してください。
審査するのは「公益を代表する委員」だけ
これはあまり知られていない点です。
介護保険審査会は、被保険者を代表する委員3人、市町村を代表する委員3人、公益を代表する委員3人以上で組織されます(法185条1項)。ところが、要介護認定に関する審査請求だけは、この三者ではなく「公益を代表する委員」だけで構成する合議体が取り扱います(法189条2項)。
さらに、その合議体は構成する委員が全員出席しなければ会議を開けません(法190条3項)。日程調整に時間がかかる理由のひとつです。
審査会には、要介護認定の事件について専門の事項を調査させるための専門調査員を置くこともできます(法188条)。また審査会は、必要と認めるときは医師その他審査会の指定する者に診断その他の調査をさせることができます(法194条1項)。
いちばん大事な点|認められても、審査会が介護度を決め直すわけではない
ここが、家族の期待といちばんズレるところです。
東京都福祉局は、はっきりこう書いています。
審査請求に理由があると認めたときは、裁決により処分の全部又は一部を取り消し、区市町村が改めて処分をやり直すことになります。(したがって、要介護認定に関する審査請求において、介護保険審査会が独自に認定をやり直すものではありません。)
東京都福祉局「介護保険の審査請求(不服申立て)」
つまり、審査請求が認められても「要介護2にします」と決まるわけではありません。認定という処分が取り消され、市区町村がもう一度やり直すだけです。やり直した結果、同じ介護度になることもあります。
裁決は「認容」「棄却」「却下」のいずれかです(京都府)。
受理から裁決まで、福岡県の公表値で4〜6か月
時間についても、公表している県があります。
審査請求書を受理してから裁決までに少なくとも4か月から6か月程度要します。
福岡県「介護保険審査会への審査請求について」
これは福岡県が示している目安で、全国共通の数字ではありません。ただ、区分変更が原則30日であることと比べると、桁が違うことは分かると思います。
なお、この処分について裁判で争う場合は、先に審査請求をして裁決を経ていなければ訴えを起こせません(法196条)。審査請求は、訴訟へ進むための必須の入口でもあります。
「現場は区分変更で対応している」は国会でも指摘されている
ここまでの整理は、実は国会でも同じ形で議論されています。
令和4年6月3日に提出された「介護認定における不服審査に関する質問主意書」(第208回国会 質問第91号・大河原まさこ議員)には、こう書かれています。
しかし、審査が長期化することなどから、保険者やケアマネジャーが区分変更申請で対応している事例が多数ある。
第208回国会 質問第91号
これに対する政府の答弁(令和4年6月14日・内閣衆質208第91号)は、次のとおりでした。
- 審査請求の件数について「政府として把握していない」
- 区分変更申請率についても「政府として把握していない」
- 区分変更が審査請求を代替している現状かどうかについて「その現状にあるか否かを含め、政府の見解をお答えすることは困難である」
- ただし「要介護状態区分について一次判定と二次判定が異なる割合は、令和三年度において約九・一パーセントである」
最後の9.1%という数字は、覚えておく価値があります。コンピュータによる一次判定が、介護認定審査会の二次判定でくつがえるのは10件に1件ほどです。
そして二次判定で一次判定を動かす根拠になるのは、認定調査の特記事項か、主治医意見書に書かれた具体的な介護の手間です。つまり結果が出たあとに争うより、調査の場で伝わっているかどうかのほうが効きます。次の更新や区分変更に備える意味で、介護認定調査で家族が伝えるべきことを読んでおいてください。
結果が30日たっても届かないとき
「納得いかない」とは少し違いますが、結果が来ないという相談もあります。これにも条文があります。
まず、認定の処分は申請のあった日から30日以内にしなければなりません(法27条11項)。ただし心身の状況の調査に日時を要するなど特別な理由がある場合は、30日以内に「あとどれくらいかかるか(処理見込期間)とその理由」を通知して延期できます。
そして法27条12項です。
第一項の申請をした日から三十日以内に当該申請に対する処分がされないとき、若しくは前項ただし書の通知がないとき、又は処理見込期間が経過した日までに当該申請に対する処分がされないときは、当該申請に係る被保険者は、市町村が当該申請を却下したものとみなすことができる。
介護保険法 第27条第12項
30日を過ぎても結果が来ず、延期の通知も届かない場合は、「却下されたものとみなす」ことができます。みなしたうえで、その処分について審査請求に進むことができるという仕組みです。
実務上は、まず市区町村の介護保険担当窓口に進み具合を確認するのが先です。ただ、待つしかないわけではないということは知っておいてください。
「非該当(自立)」と判定されたとき
要介護にも要支援にも当てはまらない「非該当」の場合、介護保険の福祉用具貸与は使えません。
ただし、法27条9項では非該当のときは「理由を付して」通知しなければならないと定められています。なぜ非該当なのか、理由は書かれているはずです。まずそこを読んでください。区分変更や次の申請で何を伝えるべきかが、そこから分かります。
また非該当でも、市区町村の総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)や、自治体独自の福祉用具の給付・貸出制度が使えることがあります。これは自治体によって大きく違うので、地域包括支援センターに確認してください。
よくある質問
Q. 区分変更と審査請求は、両方同時に出せますか?
A. 制度上は別の手続きなので、区分変更申請をしながら審査請求をすることは妨げられていません。ただし区分変更で新しい認定が出ると、争っていた元の処分をめぐる状況が変わります。どちらを先にするかは、担当のケアマネジャーとお住まいの都道府県の審査会に確認してから決めてください。
Q. 審査請求にお金はかかりますか?
A. 審査請求そのものに手数料はかかりません。弁護士などに依頼する場合はその費用がかかります。
Q. 「不服申立て」と「審査請求」は違うものですか?
A. 同じものを指しています。都道府県のページでも「審査請求(不服申立て)」と併記されていることが多く、介護保険法の条文では「審査請求」です。
Q. 区分変更を出したら、今借りている福祉用具はどうなりますか?
A. 結果が出るまでは、それまでの認定にもとづく利用が続きます。問題になるのは結果が下がった場合で、対象外になった用具は引き上げるか自費に切り替えることになります。認定の効力は申請日にさかのぼる(法27条8項)ため、さかのぼって影響が出ることがあります。出す前に必ずケアマネジャーと福祉用具専門相談員に相談してください。
Q. 認定調査の結果や特記事項の内容は、見せてもらえますか?
A. 市区町村の情報公開の手続きによって、本人や代理人が開示を請求できる場合があります。手続きと範囲は自治体ごとに違うため、介護保険担当窓口に確認してください。
Q. 更新のたびに介護度が変わって落ち着きません。
A. 更新申請は認定の有効期間ごとに必要で、そのたびに状態が評価し直されます。有効期間や更新のタイミングについては介護保険の更新申請とは?を確認してください。
まとめ
- 「納得いかない」の中身が介護度の数字なのか、借りられない用具なのかを先に分ける
- ほしいものが手すり・スロープ・歩行器・杖なら、介護度を争う必要はない(要支援1から対象)
- 介護ベッド・車いすは要支援1〜要介護1が原則対象外。これが「要介護2の壁」
- 区分変更申請=原則30日、申請日にさかのぼる。ただし下がることもある(法29条・27条8項・27条11項)
- 例外給付=介護度を変えずに用具だけ通す。下がるリスクがなく、いちばん早いことが多い
- 自費レンタル=区分変更でも変わらなかったときの現実的な選択肢
- 審査請求=知った日の翌日から3か月以内(法192条)。福岡県の公表値で受理から裁決まで4〜6か月
- 審査請求が認められても、審査会が介護度を決め直すわけではない。処分が取り消され、市区町村がやり直す(東京都)
- 一次判定と二次判定が異なる割合は令和3年度で約9.1%(政府答弁)。結果を争うより、調査の場で伝わっているかのほうが効く
- 30日を過ぎて結果も延期通知も来ないときは、却下されたものとみなすことができる(法27条12項)
制度は、納得できない結果をそのまま受け入れることを求めていません。ただしどの手を選ぶかで、かかる時間も、下がるリスクも、手に入る結果も変わります。まずは「何が困っているのか」を一行で言えるようにしてから、担当のケアマネジャーに相談してください。
参考資料
- 介護保険法(平成9年法律第123号)(e-Gov法令検索。第27条・第29条・第30条・第183条〜第196条)
- 厚生労働省「要支援・要介護1の者に対する福祉用具貸与について」
- 第208回国会 質問第91号「介護認定における不服審査に関する質問主意書」(令和4年6月3日)
- 同 答弁書(内閣衆質208第91号・令和4年6月14日)
- 東京都福祉局「介護保険の審査請求(不服申立て)」
- 福岡県「介護保険審査会への審査請求について」
- 京都府「介護保険法に基づく処分に対する審査請求(介護保険審査会)」
※内容は2026年8月時点のものです。審査会の運用、窓口の案内、標準処理期間、非該当時に使える自治体の制度は都道府県・市区町村によって異なります。個別の対応は担当ケアマネジャーまたはお住まいの市区町村の介護保険担当窓口へご確認ください。
▶ あわせて読みたい:介護保険の区分変更申請とは?|介護ベッドは要介護1・要支援でも借りられる?|介護認定調査で家族が伝えるべきこと

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