車いすは介護保険でレンタルできる!種類・条件・選び方を元専門相談員が解説

車いすは介護保険でレンタルできる?対象・条件を解説 ・介護用品 福祉用具

「車いすって介護保険でレンタルできるの?」「自走式と介助式、何が違うの?」「どのくらいの費用がかかる?」――こうした疑問を、福祉用具専門相談員として何百件もの相談で受けてきました。車いすは介護保険の福祉用具貸与の対象ですが、条件や選び方を知らないまま使い始めると、本人にも介護者にも合わない用具を使い続けることになります。この記事では、車いすの種類・介護保険でレンタルする条件・選び方のポイントを詳しく解説します。

※この記事は、元福祉用具専門相談員として実際の相談現場で多かった事例や質問をもとに作成しています。

車いすの主な種類と特徴

車いすは大きく分けて4種類あります。利用者の状態・使う場所・自走できるかどうかによって選ぶべき種類が変わります。

  • 自走式:後輪が大きくハンドリムで自分で操作できる。介助者が押すことも可。上肢に力があり、自分で動きたい方に向いている。
  • 介助式:後輪が小さく軽量・コンパクト。介助者が押して使う。自走が難しく、常に介助が必要な方に向いている。
  • 電動式:モーター駆動でジョイスティックを操作。片手でも使える。上肢機能に制限があるが自分で移動したい方に向いている。
  • リクライニング式・ティルト式:背もたれが倒れたり、座面ごと傾けたりできる。座位保持が難しい方や長時間使用する方に向いている。

介護保険でレンタルできる条件

車いすは介護保険の福祉用具貸与の対象ですが、原則として要介護2以上の方が対象です。ただし、要支援1・2・要介護1の方でも、歩行が困難であるなど特別な事情がある場合は例外的に利用できます。「軽度者の例外給付」と呼ばれる仕組みで、ケアマネジャーが市区町村に確認・申請することで利用できる場合があります。

「うちの親は要介護1だから使えない」と思い込んでいる方も多いですが、諦めずにまずケアマネジャーに相談してみることをおすすめします。

レンタル料金の目安

介護保険でのレンタル料金は、利用者の自己負担割合(1〜3割)によって異なります。以下は月額・1割負担の場合の目安です。

  • 自走式・介助式:月額500〜800円程度(レンタル会社の設定する月額レンタル料の1割)
  • 電動車いす:月額1,000〜4,000円程度(電動は本体価格が高いためレンタル料も高め)
  • リクライニング式:月額700〜1,500円程度

同じ車いすでも、レンタル会社によって設定料金が異なります。担当のケアマネジャーや福祉用具専門相談員に複数社の見積もりを取ってもらうことも可能です。

介護保険レンタルのメリット

  • 体の状態が変化したら別のタイプに変更できる:買い取りと違い、身体の変化に合わせて柔軟に対応できる
  • 専門スタッフが自宅に来て調整・設置してくれる:座面の高さ・フットレストの調整など個別対応が受けられる
  • 修理・メンテナンスが含まれていることが多い:パンクや故障時の対応もレンタル会社が行う
  • 購入に比べて初期費用が大幅に抑えられる:車いす本体は数万〜十数万円するが、レンタルなら月額数百円から

失敗しない選び方のポイント

①使う場所(室内・屋外・両方)で選ぶ

室内メインなら小回りが利くコンパクトタイプ、屋外メインなら段差を越えやすい大きめタイプが向いています。両方使う場合は汎用性の高いものを選びましょう。「玄関の幅を通れるかどうか」も必ず事前に確認してください。

②自走するか・介助してもらうかを確認する

本人に自走できる力があるかどうかで自走式か介助式かが決まります。「少し動ける」方には自走式を試してみることで、自立心や活動量の維持につながることもあります。ただし、体幹バランスが不安定な方が自走式を使うと転倒リスクが高まるため、専門家に評価してもらうことが重要です。

③座面のサイズを体に合わせる

座面の幅・奥行きが合っていないと、長時間座ると床ずれや姿勢崩れの原因になります。座面幅は車いすに座ったときに両側に指2本分の余裕がある程度が目安です。福祉用具専門相談員に体のサイズを測定してもらい、適切なサイズを選んでもらいましょう。

④介助者の負担も考慮する

車いすは「本人が使うもの」であると同時に、「介助者が扱うもの」でもあります。介助式の場合は軽量タイプの方が介助者の腰への負担が小さくなります。また、折りたたみ式かどうかも車への積み降ろしに影響します。

Q. 車いすを使い始めると歩けなくなりますか?

「歩けるうちは使わない方がいい」という誤解が広まっていますが、適切な車いすを使うことで外出の機会が増え、生活の質が上がるケースも多くあります。歩行可能な方でも、長距離移動時や疲労時にだけ車いすを使う「併用」という形もあります。むしろ、転倒を恐れて外出しなくなることのほうが、廃用症候群(使わないことで機能が低下すること)につながります。まずはケアマネジャーに相談して、試乗できる機会を作ってもらいましょう。

Q. 要介護1でも車いすをレンタルできますか?

原則は要介護2以上ですが、「軽度者の例外給付」という仕組みにより、要介護1の方でも歩行困難などの特別な事情がある場合はレンタルできる可能性があります。ケアマネジャーが市区町村に申請し、認められれば介護保険でのレンタルが可能です。諦めずにまずケアマネジャーに相談してみてください。

Q. レンタルか購入か、どちらがよいですか?

基本的には介護保険でのレンタルがおすすめです。理由は3つあります。①体の状態に合わせて変更できる柔軟性 ②修理・メンテナンスがレンタル料に含まれる ③初期費用を抑えられる。ただし、介護保険対象外の方や、特定の仕様の車いすが必要で保険適用外の場合は購入が選択肢になります。購入する場合でも福祉用具専門相談員に相談しながら選ぶことをおすすめします。

まとめ

車いすは介護保険で月額数百円からレンタルできる便利な制度があります。「歩けるうちは使わない」という考えは変えて、安全に活動の範囲を広げる道具として前向きに検討してみてください。まずはケアマネジャーに相談して、試乗できる機会を作ってもらうことから始めましょう。適切な車いすを使うことで、本人の外出機会が増え、生活の質が上がるケースを現場でたくさん見てきました。

この記事を書いた人

介護福祉ナビ運営者

元福祉用具専門相談員。

福祉用具の選定、住環境整備、退院支援などに携わった経験をもとに、在宅介護で役立つ情報を発信しています。

実際の相談現場で多かった悩みや失敗例をもとに、家族が判断しやすい形で解説しています。

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