介護と仕事の両立【介護休業・介護休暇の取り方と介護離職を防ぐ方法を専門相談員が解説】
「親の介護が必要になったけど、仕事を辞めるしかないのか…」そう悩んでいませんか?
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この記事は「介護と仕事を両立する制度と考え方」を確認する記事です。介護サービスの種類は介護保険で使えるサービスの種類一覧、相談先は介護サービスの探し方、要介護認定は要介護認定の申請方法と手順を確認してください。
日本では毎年約10万人が「介護離職」しています。しかし、制度を正しく知って活用すれば、仕事を続けながら介護することは十分に可能です。
この記事では、介護休業・介護休暇の取り方、給付金、職場への相談方法、在宅介護サービスの活用まで、仕事と介護を両立するための具体的な方法を解説します。
介護離職の現実と「辞めてはいけない」理由
介護を理由に仕事を辞めることには、大きなリスクがあります。
- 収入がなくなる:介護費用は月数万〜十数万円かかることも
- 社会的なつながりが切れる:孤立・介護うつのリスクが高まる
- 再就職が難しい:介護期間が長引くほどキャリアのブランクが広がる
- 介護終了後の生活が不安定になる:年金・老後資金に影響する
仕事を続けながら介護サービスをうまく使う方が、長期的には本人にとっても家族にとっても良い結果につながることが多いです。
使える制度①:介護休業(最大93日)
介護休業は、要介護状態にある家族1人につき通算93日まで、3回に分けて取得できる制度です。
介護休業の基本
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 雇用期間が1年以上の労働者(パート・派遣も対象) |
| 取得日数 | 対象家族1人につき通算93日・3回まで分割可能 |
| 対象家族 | 配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫 |
| 申請方法 | 原則2週間前までに会社へ書面で申請 |
| 給付金 | 休業中は雇用保険から「介護休業給付金」が支給(賃金の67%) |
介護休業は「介護をずっとする期間」ではなく、「介護の体制を整えるための期間」として使うのが正しい活用法です。施設探し・ケアマネ選び・サービス調整などに充てましょう。
使える制度②:介護休暇(年5日)
介護休暇は、対象家族1人につき年間5日(2人以上なら10日)を1日または半日単位で取得できる制度です。
- 通院の付き添い・ケアマネとの面談・介護認定の立ち会いなどに使える
- 当日の電話連絡でも取得可能(事前申請不要の場合も)
- 無給の場合が多いが、会社によっては有給扱いにしているケースも
使える制度③:介護休業給付金
介護休業中は、雇用保険から介護休業給付金が支給されます。
- 支給額:休業開始前の賃金の67%
- 支給上限:1か月あたり約31万円(2024年時点)
- 申請先:ハローワーク(会社経由で手続き)
- 支給タイミング:休業終了後にまとめて振り込まれる
休業中は無収入ではなく、給付金を受け取ることができます。事前に会社の人事・総務に確認しておきましょう。
使える制度④:短時間勤務・フレックスタイム
介護休業とは別に、介護のための短時間勤務制度を利用できる場合があります。
- 1日の所定労働時間を短縮(例:8時間→6時間)
- フレックスタイム制・始業終業時刻の変更
- 介護サービスの利用・施設送迎に合わせた勤務調整が可能に
これらは介護開始から3年間、2回以上利用できることが法律で定められています(育児・介護休業法)。
職場への上手な相談の仕方
介護が始まったら、できるだけ早く職場に相談することが重要です。隠していると突発的な欠勤が続き、周囲の信頼を損なうことになりかねません。
相談のポイント
- まず直属の上司に相談する(いきなり人事でなくてもOK)
- 「○○の状況で、△△の制度を使いたい」と具体的に話す
- 「迷惑をかけたくない」より「仕事を続けたい」という意思を明確に伝える
- 業務の引き継ぎ・代替体制の提案も一緒に持っていくと◎
- 会社に相談しにくい場合は都道府県労働局・労働基準監督署に相談できる
介護サービスを最大限活用する
仕事と介護を両立するには、「自分でやろうとしすぎない」ことが最大のポイントです。介護保険サービスをフル活用して、プロに任せる部分を増やしましょう。
| サービス | 内容 | 活用シーン |
|---|---|---|
| 訪問介護 | ヘルパーが自宅を訪問 | 日中の食事・排泄・入浴介助 |
| デイサービス | 日帰りで施設に通う | 日中の預かり・社会参加 |
| ショートステイ | 施設に短期入所 | 出張・繁忙期・介護者の休息 |
| 訪問看護 | 看護師が自宅訪問 | 医療的ケアが必要な場合 |
| 夜間対応型訪問介護 | 夜間のヘルパー訪問 | 夜間の排泄・緊急対応 |
特にショートステイ(短期入所)は、繁忙期や出張時に親を預けられる非常に便利なサービスです。平常時から利用しておくと、緊急時にも使いやすくなります。
テレワーク・副業・働き方の見直しも選択肢に
コロナ禍以降、テレワークが普及したことで介護と仕事の両立がしやすくなった面もあります。
- テレワーク勤務への変更を会社に相談する
- 転職・働き方の変更(正社員→時短、副業の開始など)を検討する
- 介護関連の仕事(ケアマネ・福祉用具など)への転職という選択肢も
相談窓口まとめ
| 窓口 | 内容 |
|---|---|
| 地域包括支援センター | 介護サービス全般・ケアマネ紹介 |
| 都道府県労働局(雇用環境・均等部) | 介護休業制度に関する相談・トラブル対応 |
| ハローワーク | 介護休業給付金の手続き・再就職支援 |
| 会社の人事・EAP(従業員支援プログラム) | 社内制度の確認・メンタルサポート |
| 介護者サポートグループ | 同じ立場の人と情報交換・精神的サポート |
まとめ
- 介護離職は収入・キャリア・精神的健康すべてに大きなリスクをもたらす
- 介護休業(93日)・介護休暇(年5日)・給付金(賃金の67%)など使える制度がある
- 職場には早めに、具体的に相談する
- 介護保険サービスをフル活用して「自分でやりすぎない」ことが両立のカギ
- 制度に迷ったら地域包括支援センター・労働局に相談
仕事を続けることは、介護者自身の人生を守ることでもあります。一人で抱え込まず、制度とサービスを最大限に活用してください。
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