「介護にお金がかかって家計が苦しい…」
「介護保険以外に使える制度はないの?」
「申請すればもらえるお金があると聞いたけど、どこに相談すればいい?」
在宅介護にはさまざまな公的支援制度があります。しかし、知らなければ申請できない「申請主義」のものがほとんど。
この記事では、福祉用具専門相談員として15年間、在宅介護の現場で多くのご家族と関わってきた経験をもとに、在宅介護で活用できるお金・制度を9つまとめてわかりやすく解説します。
在宅介護で使える制度・給付金 一覧
| 制度名 | 概要 | 申請先 |
|---|---|---|
| ① 介護保険サービス(居宅サービス) | 訪問介護・デイサービス等が1〜3割負担 | 市区町村・ケアマネ |
| ② 高額介護サービス費 | 自己負担が上限を超えたら払い戻し | 市区町村 |
| ③ 住宅改修費の支給(20万円) | 手すり設置等に最大18万円支給 | 市区町村 |
| ④ 福祉用具購入費の支給(10万円) | ポータブルトイレ等に最大9万円支給 | 市区町村 |
| ⑤ 医療費控除 | 介護サービス費の一部が医療費控除対象 | 税務署(確定申告) |
| ⑥ 障害者控除 | 要介護認定者が対象になる場合あり | 市区町村→税務署 |
| ⑦ 介護休業給付金 | 介護休業中に給与の67%を受給 | ハローワーク |
| ⑧ 高額医療・高額介護合算制度 | 医療と介護の合計自己負担に上限 | 市区町村・健保 |
| ⑨ 市区町村独自の給付・補助 | 紙おむつ支給・配食サービス等 | 市区町村 |
ひとつずつ詳しく解説します。
① 介護保険サービス(居宅サービス)
介護認定を受けると、訪問介護・デイサービス・福祉用具レンタルなどの介護保険サービスを1〜3割の自己負担で利用できます。
- 1割負担:ほとんどの方(所得が低〜中程度)
- 2割負担:一定以上の所得がある方
- 3割負担:現役並みの高所得者
💡 まずは介護保険の認定申請をすることが、すべての支援の入口です。認定を受けていない方は市区町村の介護保険窓口へ。
② 高額介護サービス費
介護保険の自己負担額が月ごとの上限を超えた場合、超えた分が後から払い戻される制度です。
負担上限額(月額)の目安
| 対象者 | 月額上限 |
|---|---|
| 生活保護受給者 | 15,000円 |
| 世帯全員が住民税非課税(低所得) | 15,000円〜24,600円 |
| 住民税課税世帯(一般) | 44,400円 |
| 現役並み所得者 | 44,400円〜140,100円 |
⚠️ 初回のみ市区町村から通知が届きます。申請しないと払い戻されないので、通知が来たら必ず申請しましょう。2回目以降は自動的に振り込まれます。
③ 住宅改修費の支給(上限20万円)
手すりの設置・段差解消・滑り止め工事などの住宅改修費として最大20万円まで支給されます(1〜3割自己負担)。
- 1割負担の方:最大18万円が支給
- 原則、要支援1以上から利用可能
- 同一住宅・同一人物に対して生涯20万円まで
- 工事前に市区町村への事前申請が必要
💡 「3段階リセット」という制度があり、要介護度が大きく上がった場合や転居した場合は再度20万円が使えます。詳しくはケアマネジャーに確認を。
④ 福祉用具購入費の支給(上限10万円)
ポータブルトイレ・シャワーチェアなどの特定福祉用具の購入費として年間10万円まで支給されます。
- 1割負担の方:最大9万円が支給
- 対象品目:腰掛便座・入浴補助用具・簡易浴槽など
- 購入前にケアマネジャーへの相談が必要
- 毎年度(4月〜翌3月)リセットされる
💡 レンタルと違い、購入品は衛生上の理由から支給対象。ポータブルトイレや入浴用品がメインです。
⑤ 医療費控除(確定申告)
実は介護保険サービスの一部は医療費控除の対象になります。確定申告で申請することで税金の還付を受けられます。
医療費控除の対象になる主な介護サービス
- 訪問看護・訪問リハビリテーション
- 居宅療養管理指導(医師・薬剤師等による)
- 通所リハビリテーション(デイケア)
- 特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム等)
- 上記と合わせて利用した場合の訪問介護など
⚠️ 医療費控除は年間10万円(総所得の5%)を超えた部分が対象。介護サービス費の領収書は必ず保管しておきましょう。
⑥ 障害者控除(要介護認定者も対象になる場合あり)
障害者手帳を持っていなくても、65歳以上で要介護認定を受けている方は「障害者控除対象者認定書」を申請できる場合があります。
- 障害者控除:所得から27万円(特別障害者は40万円)を控除
- 市区町村に「障害者控除対象者認定書」を申請する
- 認定書を取得後、確定申告または年末調整で申告
💡 要介護1〜5の方が対象になるケースが多いです。認定基準は市区町村によって異なるため、まずは窓口に確認を。
⑦ 介護休業給付金
家族の介護のために仕事を休んだ場合、休業前の給与の約67%が最大93日分支給されます。
- 雇用保険に加入している方が対象
- 対象家族1人につき通算93日まで(3回まで分割可)
- 勤務先を経由してハローワークに申請
- 介護休業の開始前日までに申請が必要
💡 「介護のために仕事を辞めるしかない」と思う前に、まず介護休業制度の活用を検討しましょう。給付金を使いながら介護の体制を整える時間が取れます。
⑧ 高額医療・高額介護合算療養費制度
医療保険と介護保険の自己負担を合算して、年間の上限を超えた分が払い戻される制度です。
- 毎年8月〜翌7月の1年間で計算
- 上限額は世帯の所得・年齢によって異なる(約19万〜212万円)
- 申請先:加入している医療保険(国民健康保険なら市区町村)
💡 高額の医療費と介護費が重なっている世帯は特に要チェック。市区町村から通知が来ない場合もあるため、自ら問い合わせることが大切です。
⑨ 市区町村独自の給付・補助サービス
介護保険制度とは別に、市区町村独自の支援サービスが用意されていることがあります。内容は自治体によって異なります。
よくある独自サービスの例
- 紙おむつ・尿取りパッドの現物支給または費用補助
- 配食サービス(食事の宅配)の助成
- 緊急通報システムの無料貸し出し
- 介護者向けのヘルパー派遣(家族支援)
- 介護用品購入費の補助(独自)
⚠️ これらは公的にPRされないことが多く、知らずに損しているケースが非常に多いです。市区町村の介護保険担当窓口や、担当ケアマネジャーに「独自のサービスはありますか?」と直接聞くのが一番確実です。
制度や関連書籍を確認する前に
以下のリンクには広告・アフィリエイトを含みます。介護保険や給付制度は、自治体、要介護度、世帯状況によって対象や手続きが変わります。記事や本だけで判断せず、市区町村窓口、地域包括支援センター、ケアマネジャーにも確認してください。
まとめ:まず相談することが大切
| 制度 | もらえる金額の目安 | 申請先 |
|---|---|---|
| 高額介護サービス費 | 月の上限超過分を払い戻し | 市区町村 |
| 住宅改修費支給 | 最大18万円(1割負担の場合) | 市区町村 |
| 福祉用具購入費支給 | 最大9万円/年(1割負担の場合) | 市区町村 |
| 医療費控除 | 介護サービス費の一部が還付 | 税務署 |
| 障害者控除 | 27〜40万円の所得控除 | 市区町村→税務署 |
| 介護休業給付金 | 給与の67%×最大93日 | ハローワーク |
在宅介護の支援制度は「申請しなければもらえない」ものばかりです。「こんな制度があるんだ」と知ることが第一歩。
わからないことは担当のケアマネジャーや市区町村の介護保険窓口に相談しましょう。無料で相談に乗ってもらえます。
迷ったらこれ:まずは条件や費用を比較し、家族だけで抱え込まない選択肢を確認しておくと安心です。
気になるサービスや相談先は、下のリンクから確認してください。
サービスや相談先を比較する前に、本人の状態・費用・家族の負担を整理しておくと迷いにくいです。
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