訪問介護の倒産が3年連続過去最多に。サービスが突然使えなくなる前に知っておくこと

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「今使っている訪問介護が突然なくなったらどうしよう…」「ニュースで訪問介護の倒産が増えていると聞いて不安になった」——そんな心配をされている方は少なくないと思います。在宅介護を続けていく上で、訪問介護は生活の柱になっている方も多いはずです。

2025年の訪問介護事業所の倒産は91件と3年連続で過去最多を更新し、社会問題になっています。この記事では、元福祉用具専門相談員として在宅介護の現場を知る立場から、なぜ倒産が増えているのか、そしてサービスが突然使えなくなった場合の対処法と、今からできる備えをわかりやすく解説します。

訪問介護の倒産が過去最多に…なぜ?

2025年、介護事業者全体の倒産は176件と過去最多を更新。中でも訪問介護が91件と突出しており、3年連続で記録を更新しました。なぜこれほど倒産が増えているのでしょうか。

原因内容
介護報酬のマイナス改定2024年度改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられ経営が悪化
深刻なヘルパー不足人材が集まらず、サービスを提供できない事業所が続出
運営コストの上昇燃料費・物価高騰が経営を直撃
売上不振倒産の8割以上が「売上不振」を理由に挙げている

特に深刻なのが「介護報酬のマイナス改定」と「ヘルパー不足」の組み合わせです。訪問介護は人件費が主なコストの大部分を占めるため、報酬が下がって人件費が上げられなくなると、人材がさらに集まらなくなるという悪循環に陥りやすい構造があります。

サービスが突然使えなくなったら?

訪問介護事業所が倒産・廃業した場合、通常は事前に利用者へ通知があります。廃業の際は最低でも1ヶ月前の告知が義務付けられており、突然翌日から来なくなるということは基本的にありません。

ただし、急な廃業に備えて以下の対応を知っておきましょう。

① すぐにケアマネジャーに連絡する

担当のケアマネジャーが最も頼れる窓口です。代替の訪問介護事業所を探したり、一時的にサービス内容を調整してもらえます。まず最初に連絡しましょう。ケアマネジャーは地域の事業所情報を持っており、空き状況を確認しながら代替先を探してくれます。

② 地域包括支援センターに相談する

ケアマネジャーがいない場合や緊急の場合は、市区町村の「地域包括支援センター」に相談してください。地域の介護サービス情報を持っており、つなぎのサービスを調整してくれます。要介護認定前の方でも相談できる窓口です。

③ 代替サービスを把握しておく

訪問介護の代わりになり得るサービスも知っておくと安心です。

  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護:24時間対応で小まめに訪問するサービス。急なニーズにも対応できます
  • 小規模多機能型居宅介護:訪問・通い・泊まりを一体的に利用できる。一つの事業所でまとめて対応してもらえます
  • デイサービス(通所介護):日中のケアと送迎をセットで利用できる。訪問介護の代替として使える場面もあります
  • 介護保険外の民間サービス:家事代行や生活支援サービスは介護保険外でも利用可能。費用は高めですが、つなぎとして活用できます

今からできる「備え」のポイント

倒産ニュースを聞いて不安になるのは自然なことです。でも、事前に備えておくことで、万が一の時の混乱を大きく減らすことができます。

  • 複数の訪問介護事業所の情報をケアマネジャーから聞いておく(「もし今の事業所が使えなくなったら?」と率直に聞いてみましょう)
  • 担当ケアマネジャーの連絡先を家族全員で共有しておく
  • 地域包括支援センターの電話番号を手帳やスマートフォンに登録しておく
  • 普段から近隣の事業所の評判・空き状況を確認しておく
  • 定期的にケアプランを見直し、サービスへの依存度を確認する

利用している事業所が「危ない」サインは?

事業所の経営状況を外から判断するのは難しいですが、以下のような変化があれば、早めにケアマネジャーに相談することをおすすめします。

  • 担当ヘルパーが頻繁に変わる
  • 急なキャンセルが増えた
  • 「人手不足でサービスを減らしたい」という話が出てきた
  • 事業所から連絡が取りにくくなった
  • サービスの質が以前と比べて明らかに変わった

これらは経営上の問題が表れているサインである可能性があります。不安に思ったら、「他にも選択肢があるか」をケアマネジャーに相談してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 利用している訪問介護事業所が廃業する場合、何日前に通知されますか?

介護保険法では、廃業・休止の際は少なくとも1ヶ月前に利用者へ通知することが義務付けられています。ただし、経営が急激に悪化した場合は通知が短くなることもあります。「廃業予告を受けた」と連絡が来たら、すぐにケアマネジャーに連絡しましょう。

Q. 訪問介護が使えなくなった場合、介護保険の区分変更は必要ですか?

代替サービスに切り替える場合、必ずしも区分変更が必要なわけではありません。現在のケアプランの範囲内で別の事業所に変更したり、サービスの組み合わせを変えたりすることで対応できる場合が多いです。具体的な対応はケアマネジャーが調整してくれます。

Q. 訪問介護の倒産は今後も増え続けるのでしょうか?

2026年6月からの処遇改善加算の拡充など、国の支援策も動き始めています。ただし、ヘルパー不足という構造的な問題は短期間では解決しないため、しばらくは慎重に情報を注視する必要があります。利用者としては、一つの事業所に依存しすぎない体制を作っておくことが大切です。

専門相談員からひと言

現場で働いていた頃、「この事業所がなくなったらどうなるんだろう」という不安を利用者さんから何度も聞きました。一番大切なのは「ケアマネジャーと日頃からコミュニケーションをとっておくこと」です。

訪問介護の倒産増加は社会全体の問題ですが、個人でできる備えもあります。「今の事業所が万が一なくなったら?」という視点を持ちながら、ケアマネジャーと話し合っておくことが、一番現実的な対策です。引き続き制度の変化を一緒にウォッチしていきましょう。

この記事を書いた人

介護福祉ナビ運営者

元福祉用具専門相談員。

福祉用具の選定、住環境整備、退院支援などに携わった経験をもとに、在宅介護で役立つ情報を発信しています。

実際の相談現場で多かった悩みや失敗例をもとに、家族が判断しやすい形で解説しています。

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