サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?入居条件・費用・有料老人ホームとの違い【家族向け】

サービス付き高齢者向け住宅の明るい共用ラウンジで、高齢の女性とスタッフが笑顔で話しているイラスト ・サービス・施設
「親が一人暮らしで心配になってきた」「老人ホームは費用が高そう。ほかに選択肢はないか」。そんなときに名前が挙がるのが、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)です。 サ高住は、バリアフリー構造の賃貸住宅に、安否確認などの見守りと生活相談が付いた、高齢者向けの住まいです。サ高住で必ず付くのは状況把握と生活相談だけで、介護サービスの使い方は、特定施設の指定の有無によって異なります。この点が、いちばん誤解されやすいところです。この記事では、入居条件、国が定めた登録基準、費用の目安、有料老人ホームとの違い、探し方と見学で確認することを、国土交通省・厚生労働省の資料をもとに整理します。 先に結論
  • サ高住は、高齢者住まい法に基づき、都道府県などが登録する高齢者向けの住宅(賃貸借方式と利用権方式がある)。国土交通省と厚生労働省が共同で所管している
  • 入居できるのは、60歳以上の人、または要支援・要介護認定を受けている人など
  • どのサ高住でも必ず付くサービスは、状況把握(安否確認)と生活相談の2つ。食事や介護は、住宅によって違う
  • 介護が必要になったら、多くの場合は住宅とは別に介護サービスを契約する(外付け)。介護まで含む「介護付き」(特定施設)とは仕組みが違う
  • 月額費用で最も多い層は、12〜14万円(特定施設に当たらないサ高住)
  • 全国に290,938戸・8,307棟が登録されている(2026年9月末現在)

※この記事は、元福祉用具専門相談員の立場から、国土交通省・厚生労働省の公開資料で確認できた内容をもとに作成しています。個々の住宅の料金やサービスは、住宅ごとに大きく違います。必ず見学と重要事項の説明で確認してください。

▶ 動画でも解説しています(約3分30秒)

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは

サ高住は、2011年(平成23年)の「高齢者住まい法」の改正で創設された制度です。それまであった3つの高齢者向け賃貸住宅(高齢者円滑入居賃貸住宅・高齢者専用賃貸住宅・高齢者向け優良賃貸住宅)を統合し、介護や医療と連携しながら、高齢者が安心して暮らせるバリアフリー住宅を増やすために、国土交通省と厚生労働省の共管の制度としてつくられました。
項目 内容
根拠 高齢者住まい法(2011年4月公布・同年10月施行)
登録するところ 都道府県等(バリアフリー化や生活支援の基準を満たす住宅を登録)
登録状況 290,938戸・8,307棟(2026年9月末時点)
登録の更新 建物ごとに登録し、5年ごとに更新する(更新されないと無効)
入居できる人 60歳以上の人、または要支援・要介護認定を受けている人 等
併設されることがある施設 診療所、訪問看護ステーション、ヘルパーステーション、デイサービスセンターなど
※出典:国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅の登録制度の概要」(令和7年度)、サービス付き高齢者向け住宅情報提供システムの登録状況(2026年9月末)。

登録基準|国が決めている「最低ライン」

分類 基準
住宅(ハード) 床面積は原則25㎡以上/構造・設備が一定の基準を満たす/バリアフリー構造(廊下幅、段差解消、手すり設置)
サービス 必須は状況把握サービスと生活相談サービス。そのほかの例は、食事の提供、清掃・洗濯などの家事援助
契約 長期入院を理由に事業者から一方的に解約できないなど、居住の安定が図られた契約/敷金、家賃、サービスの対価以外の金銭を徴収しない 等
※出典:国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅の登録制度の概要」。各住戸の専用部分は原則25㎡以上です。ただし、居間・食堂・台所などの共用部分に十分な面積がある場合は、18㎡以上とすることができます。自治体が独自の基準を定めている場合もあります。

基準で決まっているのは「最低ライン」だけです

  • 食事・入浴・介護・家事援助は、基準では必須ではありません。住宅ごとに、付くか付かないか、いくらかが違います。
  • 厚生労働省の資料では、サ高住の96.3%が食事の提供を行っています。ただし、「食事付き」かどうかは、住宅ごとに必ず確認する項目です。
  • 家賃や食費、サービス費は、基準では決まっていません。

「状況把握」と「生活相談」とは

必須の2つのサービスの中身は、国の資料では次のように説明されています。原則として日中は、制度上定められた職員(ケアの専門家)が、住宅の敷地内や隣接・近接する建物に常駐して、状況把握(安否確認)と生活相談のサービスを提供します。ただし、入居者の状態や事前の同意など一定の条件を満たす場合には、常駐しない運用も認められています。常駐しない時間帯は、緊急通報システムなどで対応します。不在のときの通報先と駆け付けの体制を、必ず確認してください。
  • 常駐のしかたは、住宅によって違います。2020年8月末の登録情報の集計(高齢者住宅協会)では、「日中・日中以外とも常駐」が77.1%、「日中は常駐し、日中以外は常駐なし」が22.9%でした。現在の体制は、住宅ごとに確認してください。
  • 厚生労働省の検討会の資料では、夜間の職員配置がない住宅も、サ高住で1割強あったとされています。夜間はどう対応するのかは、見学のときに必ず聞いてください。
  • 状況把握・生活相談は、「介護」ではありません。入浴や排せつの介助などの介護は、含まれません。

介護が必要になったら|「外付け」と「介護付き」の違い

サ高住は「住まい」です。介護が必要になったときのしくみは、次の2つに分かれます。
種類 介護のしくみ
多くのサ高住(特定施設ではない) 外部の介護事業所の介護保険サービス(訪問介護・デイサービスなど)を、自分でケアマネジャーに依頼して使う。自宅で介護サービスを使う形と同じ
特定施設入居者生活介護の指定を受けたサ高住 特定施設の介護サービスを利用する。一般型では、介護保険の部分は要介護度などに応じた包括的な料金が基本で、家賃・食費などは別にかかる。外部サービス利用型は仕組みが異なる
外付けでは、住宅の契約とは別に介護サービスを契約します。併設・系列の事業所以外も利用できるか、入居前に確認してください。使った分の介護保険の自己負担(原則1〜3割)は、家賃などとは別にかかります。訪問介護や通所介護など、区分支給限度基準額の対象となるサービスでは、要介護度などに応じた月の限度を超えた利用分は全額自己負担です(対象外のサービスや加算もあります)。上限の考え方は介護保険の区分支給限度額とはで解説しています。 要介護度の入居者像は次のとおりです(2023年8月末時点の運営情報)。
介護度 入居者の割合
自立8.6%
要支援1・212.8%
要介護121.8%
要介護219.9%
要介護315.0%
要介護413.2%
要介護58.4%
※出典:国土交通省の資料(運営情報を提供した住宅の入居者)。このほか「不明」が0.3%です。入居者の年齢は、85歳以上が約6割(60.5%)、75〜84歳が28.2%、65〜74歳が9.1%、64歳以下が2.1%です。

費用の目安|月額はどのくらい?

厚生労働省の検討会の資料では、月額費用の最も多い層は、住まいの種類によって次のように違います。
住まいの種類 月額費用で最も多い層
特定施設(「介護付き」有料老人ホームなど) 30万円以上
「住宅型」有料老人ホーム 10万円未満
サ高住(特定施設ではないもの) 12〜14万円
※出典:厚生労働省「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会 とりまとめ」(2025年11月)。これは調査上の最も多い価格帯で、平均額でも、入居後の支払総額でもありません。比較するときは、住宅関連費に、介護の自己負担、医療費、日用品費などを加えた、月々の支出の見込みで考えてください。

月額に含まれるもの・含まれないもの

含まれることが多い 別にかかることが多い
家賃、共益費、状況把握・生活相談のサービス費、食費(提供する場合)、光熱水費(含まれるものは住宅によって違う) 介護保険の自己負担(原則1〜3割)、医療費、日用品、通信費など
  • 登録事業者が受け取れるのは、敷金、家賃、サービスの対価です。権利金などは受け取れません。ただし、登録事業者とは別の宅建業者が行う仲介の手数料など、別に必要な費用もあるので、契約のときに確認してください。
  • 「家賃が安い」だけで決めず、住宅関連費の総額(家賃+共益費+サービス費+食費+光熱水費)で比べてください。状況把握・生活相談の料金や、家賃などに含まれるかどうかは、各住宅の登録情報と契約書で確認してください。
  • 家賃・サービス費の前払金を受け取る住宅では、前払金の算定の基礎と返還額の計算方法の明示、保全措置が必要です。入居後3か月以内に契約を解除したとき、または入居者が亡くなって契約が終わったときは、実際の入居日数分の家賃などを除いて返還するルールがあります。工事の完了前は、敷金も前払金も受け取れません。

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住宅とは別に、介護保険外のサービスを頼みたいとき

イチロウは、住宅とは別に契約する民間の介護保険外サービスで、利用は任意です。対応地域、料金、希望する日時に対応できるかどうか、また入居先の住宅で利用できるかどうかは、事業者と住宅の両方に確認してください。

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※介護保険のサービスについては、まず担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してください

有料老人ホームとの違い

サ高住と有料老人ホームは、制度が別ですが、重なる部分があります。厚生労働省の資料では、サ高住の大半は有料老人ホームにも当たるとされ、サ高住の登録を受けた有料老人ホームは、有料老人ホームの届出が不要になります。
項目 サ高住(特定施設ではない) 「住宅型」有料老人ホーム 「介護付き」有料老人ホーム(特定施設)
制度の根拠 高齢者住まい法(登録) 老人福祉法(届出) 老人福祉法+介護保険法(特定施設入居者生活介護の指定)
介護 外付け(外部の事業所を選んで契約) 外付けが基本 ホームが一体で提供
特別養護老人ホーム(特養)は、公的な介護施設で、入所は原則として要介護3以上が対象です。仕組みが大きく違うので、特別養護老人ホームへの入り方で別に解説しています。住まい全体の種類は老人ホームの種類と選び方にまとめています。

探し方と、見学で確認すること

探し方

  • サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム:都道府県別に、登録住宅の立地、費用、サービスなどを検索できます。入居希望者が、紹介事業者を通さずに自分で検索・比較して、見学まで進めることもできます。
  • 地域包括支援センターに相談する:その地域の住まいの情報や、介護保険のしくみを相談できます。→地域包括支援センターとは
  • 2020年度の厚生労働省の調査では、入居までの経路は、本人・家族の直接申込みが最も多く、紹介事業者の経由は、住宅型有料老人ホームやサ高住で1割程度でした。

見学のチェックリスト

  1. 状況把握・生活相談の体制:日中の常駐時間、夜間の対応(常駐か、緊急通報か)
  2. 月額の総額:家賃、共益費、サービス費、食費、光熱水費。値上げのルール
  3. 介護のしくみ:外付けか、特定施設の「介護付き」か。併設の事業所の有無と、ほかの事業所も選べるか
  4. 医療的なケアや認知症、看取りに対応できるか:「どこまで対応できるか」を、契約の前に書面で確認する
  5. 契約の内容:長期入院になったときの扱い、解約や退去の条件、前払金の保全と返還
  6. 重要事項の説明:契約の前に、サービス内容と費用について書面で説明を受ける
  7. 登録の状況:登録が5年ごとの更新制であるため、登録の有効期間を確認する
厚生労働省の検討会では、「介護付き」と「外付け」の違いが、家族からはわかりにくいことが指摘されています。「うちは介護もしてもらえます」という説明があっても、特定施設としての「介護付き」なのか、併設事業所の外付けサービスなのかを、必ず確認してください。

よくある質問

Q. 夫婦で入居できますか?

夫婦で暮らせる住宅もあります。二人で入居できる住戸があるか、二人分の料金はいくらか、各住宅が定めている入居の条件を、確認してください。

Q. 一人暮らしを続けるのが不安です。サ高住に入れば、介護まで任せられますか?

任せられるとは限りません。サ高住で必ず付くのは、状況把握と生活相談だけです。介護が必要になったときは、外付けの介護サービスをケアマネジャーに依頼して使う形が基本です。「介護付き」の住宅かどうかを、契約の前に確認してください。

Q. 要介護度が重くなっても、住み続けられますか?

住宅によって異なります。厚生労働省の資料では、サ高住でも一定の医療措置を必要とする人を受け入れている例がある一方、対応のしかたは住宅ごとに違います。「どこまで対応できるか」「対応できなくなったときの退去の条件」を、契約の前に書面で確認してください。

Q. 長期入院すると、退去させられますか?

登録基準では、長期入院を理由に事業者から一方的に解約できないことが求められています。ただし、契約の細かい条件は住宅ごとに違うので、解約・退去の条件を契約書で確認してください。

Q. 初期費用はいくらですか?

登録事業者が受け取れるのは、敷金、家賃、サービスの対価です。敷金の有無と金額、退去時の精算の条件、前払金の有無を確認してください。家賃、共益費、敷金、サービス料金は、分けて比べましょう。前払金がある場合は、額、保全措置、返還のルールも確認してください。

Q. 介護保険は使えますか?

利用条件を満たせば使えます。特定施設でないサ高住では、要介護認定を受けて、訪問介護などの介護保険サービスを別に契約して使います。特定施設では、原則としてその特定施設の介護サービスを利用します。申請の流れは要介護認定の申請方法と手順をご覧ください。

まとめ

  • サ高住は、見守り(状況把握・生活相談)が付いたバリアフリーの賃貸住宅。入居は60歳以上、または要支援・要介護認定を受けている人 等
  • 介護は付かないのが基本。外付けか「介護付き」かを、契約の前に確認する
  • 月額費用で最も多い層は12〜14万円。総額で比べ、基準に無い名目の費用は根拠を確認する
  • 探すときは、国の情報提供システムや地域包括支援センターを使う。見学のチェックリストを手元に置く
まず誰に相談すればよいか迷うときは、お住まいの地域の地域包括支援センターや、担当のケアマネジャーに聞いてみてください。

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参考資料

  • 国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅の登録制度の概要」(令和7年度):資料
  • 国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅に関する現状と施策の動向」(2024年3月):資料
  • 厚生労働省「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会 とりまとめ」(2025年11月):資料
  • サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム:サイト

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