デイサービスとデイケアの違いとは?【元専門相談員がわかりやすく解説】

・サービス・施設
デイサービスとデイケアの違い

「デイサービスとデイケアって何が違うの?」

在宅介護を始めるとき、多くのご家族がこの疑問にぶつかります。名前が似ているため混同されやすいのですが、目的もスタッフも費用も、サービスの内容もまったく異なります。

間違えて選んでしまうと、本人に合ったケアが受けられないこともあります。

この記事では、福祉用具専門相談員として15年間、多くのご利用者・ご家族をサポートしてきた経験をもとに、デイサービスとデイケアの違いをわかりやすく解説します。

30秒でわかる:デイサービスとデイケアの違い

項目デイサービスデイケア
正式名称通所介護通所リハビリテーション
主な目的生活支援・社会参加身体機能の回復・維持
中心スタッフ介護職員・機能訓練指導員理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
医師の常駐なしあり
リハビリ集団での軽い体操・運動個別の専門リハビリ
1回の費用目安(要介護3・1割負担)約1,500〜2,000円約1,800〜2,500円

一言で言うと、「楽しく生活を支えたい→デイサービス」「専門職にリハビリしてもらいたい→デイケア」です。

この記事でわかること

  • デイサービスとデイケアそれぞれの特徴と目的
  • 費用の具体的な目安(令和6年度介護報酬改定ベース)
  • どちらを選べばいいかのケース別判断基準
  • 両方を組み合わせる活用方法

デイサービス(通所介護)とは?

デイサービスとは、介護が必要な方が日帰りで施設に通い、日常生活のサポートやレクリエーションを受けるサービスです。正式名称は「通所介護」といいます。

デイサービスで受けられるサービス

  • 入浴介助(自宅のお風呂に入りにくい方に人気)
  • 食事の提供
  • レクリエーション(体操・ゲーム・手芸・カラオケなど)
  • 機能訓練(機能訓練指導員による体操やストレッチ)
  • 送迎(自宅までの送り迎え)

デイサービスの目的

デイサービスの主な目的は「生活の質を維持・向上すること」と「社会参加・孤立防止」です。

自宅にこもりがちな方が外に出て、他の利用者とふれあうことで心身ともに元気を保てます。また、介護をするご家族の「介護疲れを和らげる」という役割もデイサービスの大切な目的のひとつです。

こんな方に向いています

  • 身体機能の維持をしたい方
  • 自宅での入浴が難しい方
  • 外出の機会を増やしたい方
  • 家族が日中仕事で不在の方
  • 楽しみや生きがいを見つけたい方

デイケア(通所リハビリテーション)とは?

デイケアとは、医療機関や介護老人保健施設に日帰りで通い、専門職によるリハビリを受けるサービスです。正式名称は「通所リハビリテーション」といいます。

デイケアで受けられるサービス

  • 理学療法士(PT)による運動機能のリハビリ
  • 作業療法士(OT)による日常動作のリハビリ
  • 言語聴覚士(ST)による言語・嚥下(飲み込み)のリハビリ
  • 医師による定期的な健康管理
  • 入浴・食事サービス(施設による)

デイケアの目的

デイケアの主な目的は「身体機能の回復・維持」です。

病気やケガの後、「もとの生活に少しでも近づきたい」という方に、専門職が個別のリハビリプログラムを組んで対応します。医師が常駐しているため、医療的な管理が必要な方にも安心です。

こんな方に向いています

  • 退院後にリハビリを続けたい方
  • 脳卒中・骨折などの後遺症がある方
  • 嚥下(飲み込み)に問題がある方
  • 専門職による個別リハビリを受けたい方
  • 医師に定期的に診てもらいたい方

デイサービスとデイケアの違いを詳しく比較

比較項目デイサービスデイケア
正式名称通所介護通所リハビリテーション
主な目的生活支援・社会参加身体機能の回復・維持
運営主体介護施設(デイサービスセンター)病院・診療所・老人保健施設
中心スタッフ介護職員・機能訓練指導員理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
医師の常駐なしあり(医師が在籍する施設が必須)
リハビリの内容集団での軽い運動・体操が中心個別プログラムによる専門リハビリ
入浴サービスあり(多くの施設)施設による(ない場合も多い)
レクリエーション充実している少ない傾向
利用できる方要支援1〜要介護5要支援1〜要介護5
施設数多い少ない(医療機関に限定)

費用の目安(令和6年度介護報酬ベース)

費用は「介護保険の基本報酬+食費・おやつ代などの実費」で決まります。介護保険が適用されるため、自己負担は所得に応じて1〜3割です。

デイサービス(通所介護)の費用目安

令和6年度介護報酬改定(2024年4月施行)に基づく、通常規模型・6〜7時間利用の基本報酬です。

要介護度基本報酬(単位)1割負担の目安食費等込みの実費目安
要介護1656単位約660円約1,300〜1,700円
要介護2775単位約780円約1,400〜1,800円
要介護3898単位約900円約1,500〜2,000円
要介護41,021単位約1,020円約1,600〜2,100円
要介護51,144単位約1,140円約1,700〜2,200円

※1単位=約10円(地域によって10〜11.4円)。食費・おやつ代・日用品費は施設ごとに異なります。

デイケア(通所リハビリテーション)の費用目安

デイケアは医師や理学療法士などの専門職が関わるため、デイサービスよりやや高めです。病院附属型の5〜6時間利用の場合の基本報酬です。

要介護度基本報酬(単位)1割負担の目安食費等込みの実費目安
要介護1762単位約760円約1,400〜1,900円
要介護2898単位約900円約1,600〜2,100円
要介護31,046単位約1,050円約1,800〜2,500円
要介護41,198単位約1,200円約2,000〜2,700円
要介護51,348単位約1,350円約2,100〜2,800円

※上記は令和6年度(2024年)介護報酬改定の基本報酬です。施設規模・加算の有無・地域によって変動します。詳細は担当ケアマネジャーまたは施設に確認してください。

参考:令和8年度介護報酬改定について(厚生労働省)

月にかかる費用の目安

実際にどのくらいかかるか、週2〜3回利用した場合の月額目安をまとめました(要介護3・1割負担・食費込み)。

利用頻度デイサービス(月額目安)デイケア(月額目安)
週1回(月4回)約6,000〜8,000円約7,000〜10,000円
週2回(月8回)約12,000〜16,000円約14,000〜20,000円
週3回(月12回)約18,000〜24,000円約22,000〜30,000円

※基本報酬+食費・おやつ代の概算です。施設独自の加算・日用品費・送迎加算などが加わる場合があります。所得が高い方は2〜3割負担になります。

介護保険には区分支給限度額があり、要介護度ごとに1か月に使える上限額が決まっています。他のサービスと組み合わせる場合はケアマネジャーに限度額の確認をお願いしましょう。

デイサービス・デイケアで過ごす一日の流れ

初めて利用する方のために、典型的な一日のスケジュールを紹介します。

デイサービスの一日(例)

時間内容
9:00〜9:30送迎車で自宅からお迎え
9:30〜10:00到着・健康チェック(血圧・体温測定)
10:00〜11:00レクリエーション(体操・ゲームなど)
11:00〜12:00入浴介助(希望者)
12:00〜13:00昼食
13:00〜15:00機能訓練・趣味活動・休憩
15:00〜15:30おやつ・交流
15:30〜16:00送迎車で自宅へ

デイケアの一日(例)

時間内容
9:00〜9:30送迎・到着
9:30〜10:00医師による健康チェック・バイタル測定
10:00〜12:00個別リハビリ(PT・OT・STによる訓練)
12:00〜13:00昼食(嚥下食対応可)
13:00〜15:00集団体操・自主練習・休憩
15:00〜15:30記録・医師へのフィードバック
15:30〜16:00送迎で自宅へ

デイケアでは医師がリハビリ計画を管理しており、定期的に利用者の状態を評価して内容を見直します。これが「医療的な安心感」につながっています。

どちらを選べばいいの?ケース別の判断基準

デイサービスとデイケア、どちらが合っているかは「今、何を一番必要としているか」で決まります。

デイサービスが向いているケース

  • ✅ 日常生活のサポートがほしい
  • ✅ 自宅での入浴が難しい
  • ✅ 外出・社会参加の機会を増やしたい
  • ✅ 家族が日中介護できない
  • ✅ 楽しみや生きがいを見つけたい

→「生活を支える」ことが目的ならデイサービス

デイケアが向いているケース

  • ✅ 退院後にリハビリを続けたい
  • ✅ 脳卒中・骨折などの後遺症を改善したい
  • ✅ 歩行・バランス・手の動きを回復させたい
  • ✅ 飲み込みや言葉に問題がある
  • ✅ 医師に定期的に診てもらいたい

→「機能を回復・維持する」ことが目的ならデイケア

こんなケースではどちらを選ぶ?

【ケース①】80代・骨折後に退院したお母様

入院前は歩けていたが、手術後は歩行が不安定に。「もとの生活に戻りたい」という希望がある場合は→ デイケアが適切。理学療法士による歩行訓練を優先しましょう。ある程度回復してきたらデイサービスと併用もできます。

【ケース②】70代・軽度認知症で一人暮らしのお父様

身体機能は問題ないが、自宅にこもって生活リズムが崩れている場合は→ デイサービスが適切。毎日の外出と人との交流が、認知症の進行を緩やかにする効果も期待できます。

【ケース③】60代・脳梗塞後に言葉が出にくくなったご主人

言語機能の回復を目指すなら→ デイケア一択。言語聴覚士(ST)による嚥下・発話のリハビリが受けられるのはデイケアだけです。

【ケース④】85代・要介護2で入浴が難しいお義母様

自宅での入浴介助に困っている場合は→ デイサービスが解決策に。週2〜3回の利用で清潔を保ちながら、家族の介護負担も軽減できます。

両方を組み合わせることもできます

デイサービスとデイケアは同じ週の中で併用することができます

たとえば:

  • 月・水・金 → デイケアで個別リハビリ
  • 火・木 → デイサービスで入浴・レクリエーション

というように組み合わせることで、リハビリと生活支援の両方をカバーできます。

ただし、同じ日に両方を利用することは原則できません。週のスケジュールを組む際はケアマネジャーに相談しましょう。

また、訪問リハビリテーションと組み合わせて在宅でのリハビリを強化する方法もあります。詳しくはケアマネジャーにご相談ください。

施設を選ぶときの見学チェックポイント

実際に利用する前に見学・体験利用をすることを強くおすすめします。見学時に確認しておきたいポイントをまとめました。

デイサービス見学チェックリスト

  • □ スタッフが利用者に笑顔で話しかけているか
  • □ 利用者が楽しそうに過ごしているか(表情・会話)
  • □ 入浴設備は清潔か・個別対応できるか
  • □ 食事の内容・形態(刻み食・とろみ対応)は希望に合うか
  • □ 送迎エリアと時間帯は自宅の状況に合うか
  • □ 緊急時の対応体制はどうなっているか

デイケア見学チェックリスト

  • □ PT・OT・STの人数と専門分野を確認する
  • □ リハビリの個別対応時間はどのくらいか(20分以上が目安)
  • □ 医師は常勤か非常勤か
  • □ リハビリ計画の説明・見直しの頻度はどうか
  • □ 家族への報告・連絡体制はあるか
  • □ 体験利用は可能か

「百聞は一見にしかず」で、雰囲気は実際に行ってみないとわかりません。担当ケアマネジャーに候補を3か所ほど挙げてもらい、まずは見学・体験から始めるのがベストです。

よくある質問

Q. デイサービスとデイケアは同じ日に使えますか?

同じ日に両方を利用することは原則できません。ただし、曜日を分けて週の中で併用することは可能です。ケアマネジャーに相談してスケジュールを組んでもらいましょう。

Q. 要支援でもデイケアは使えますか?

はい、使えます。要支援1・2の方は「介護予防通所リハビリテーション」として利用できます。ただし地域によって利用条件が異なる場合があるため、担当ケアマネジャーや地域包括支援センターに確認してください。

Q. デイサービスにもリハビリはありますか?

あります。多くのデイサービスでは機能訓練指導員(柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師など)が体操やストレッチを行っています。ただしデイケアのような個別の専門リハビリとは異なります。本格的なリハビリが必要な場合はデイケアが適しています。

Q. 費用はどちらが高いですか?

一般的にデイケアの方がやや高めです。医師や理学療法士などの専門職が関わるためです。要介護3・1割負担の目安で比べると、デイサービスが1回約900円、デイケアが約1,050円程度(基本報酬のみ)で、差は1回あたり150円前後です。食費などを含めた実費でも、デイケアのほうが全体的に高い傾向があります。

Q. デイケアに入浴サービスはありますか?

施設によります。病院附属型のデイケアには入浴設備がないところも多いです。「入浴もリハビリもしたい」という場合は、デイサービスとデイケアを週の中で組み合わせることを検討してみてください。

Q. 退院後すぐにデイケアに通えますか?

介護保険の認定(要支援・要介護)があれば、退院後すぐに利用できます。認定がまだの方は、入院中に病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)や地域包括支援センターに相談して、退院前から手続きを進めるとスムーズです。

Q. デイサービスとデイケアはどこで探せますか?

担当のケアマネジャーに相談するのが最も確実です。ケアマネジャーがいない場合は、お住まいの市区町村の地域包括支援センターに相談してください。全国の事業所は「介護サービス情報公表システム(厚生労働省)」でも検索できます。

まとめ:目的に合わせて選ぶのがポイント

デイサービスとデイケアの違いをおさらいします。

  • デイサービス(通所介護)→ 生活支援・社会参加が目的/入浴・食事・レクリエーションが充実/介護職員が中心
  • デイケア(通所リハビリテーション)→ 身体機能の回復・維持が目的/理学療法士・作業療法士による専門リハビリ/医師が常駐

どちらが正解というわけではありません。その方の状態や目標によって最適なサービスは変わります。

「リハビリで歩けるようになりたい」ならデイケア、「毎日楽しく元気に過ごしたい」ならデイサービス、というように目的に合わせて選びましょう。

デイサービスを実際に選ぶ段階になったら、デイサービスの選び方|失敗しない5つのポイントで見学時のチェック項目まで確認できます。

迷ったときは担当のケアマネジャーに気軽に相談してみてください。ケアマネジャーをまだお持ちでない方は、ケアマネジャーの選び方と変更方法もご覧ください。

また、在宅介護では訪問介護と訪問看護の使い分けも重要です。訪問看護と訪問介護の違いもあわせてご確認ください。

📞 まだ介護保険を申請していない方は、お近くの地域包括支援センターに相談するところから始めましょう。

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