見守りカメラは介護保険適用?徘徊感知機器との違いと自費で必要なもの

見守りカメラは介護保険で使えるのか?徘徊感知機器との違いと自費の中身 ・介護用品 福祉用具

「親がひとりでいる時間が心配だから、見守りカメラを付けたい。介護保険で借りられないだろうか」

調べ始めると、すぐに困ることになります。「介護保険が使えます」と書いてあるページと、「介護保険適用外です」と書いてあるページが、同時に出てくるからです。どちらかが間違っているように見えますが、実はそうではありません。

結論から言うと、映像を見るタイプの見守りカメラは、介護保険では借りられません。全額自費です。一方で、センサーで感知して家族に知らせる機器は「認知症老人徘徊感知機器」という種目があり、介護保険のレンタル対象に入っています(実際に借りられるかは、そのご本人の状態と使う目的によります)。家族はどちらも「見守り」と呼びますが、制度の上ではまったく別のものとして扱われています。

この記事の結論

  • 映像を見る見守りカメラは介護保険の対象外=全額自費(ただし機器によっては、感知して知らせる部分だけを介護保険で借りられる形があります)
  • 介護保険で借りられるのは「センサーで感知して、家族などへ通報するもの」。制度上の名前は「認知症老人徘徊感知機器」
  • 対象かどうかは、機械の名前ではなく「本来の機能」で決まる。これが「使える/使えない」の両方が出てくる理由
  • 同じ機器でも、使う目的が「徘徊への対応」でなければ対象外とされることがある(転落防止・見守りのみ・体調確認など)
  • どれを選ぶかは、見ている家族が「どこにいるか」で決まる。家の中で近くにいるならセンサー、別室や外出先ならカメラ、家を出たあとならGPS
  • カメラを買ってそろえるときは「本体の購入」と「通信回線の契約」の2つが要る。回線の契約はご家族自身で行うことになる
  • ただし事業者から借りる形もある。感知して知らせる部分は介護保険の貸与、通信にあたる自費の部分は回線込みの自費レンタル、という組み合わせになっていることがある
  • 2026年に見直しが進んでいます(2026年8月時点)。屋外へ携行するGPS型の徘徊感知機器を給付対象にする方向が示されました。ただし施行時期は未定です

※この記事は、元福祉用具専門相談員として実際の相談現場で多かった事例や質問をもとに作成しています。制度の部分は国の告示・通知を確認して書いていますが、実際の可否は保険者(市区町村)の判断によります。
記載している制度の内容は2026年8月時点のものです。特に通信機能を備えた福祉用具の扱いは現在見直しが進んでいるため、実際に手続きをされるときは、担当のケアマネジャーと市区町村の窓口で最新の取り扱いをご確認ください。

なぜ「使える」と「使えない」の両方が出てくるのか

検索して出てくるページを並べると、こうなっています。

  • 機器のメーカーやサービス会社のページ …「介護保険適用について」と書いてある
  • 個人の解説ブログ …「見守りカメラは介護保険適用外!」と書いてある

正反対に見えますが、両方とも嘘ではありません。理由は単純で、介護保険の福祉用具は「その道具の本来の機能が何か」で分類されているからです。「見守り」という用途でまとめられてはいません。

だから、見た目が似ていても、あるいは同じ「見守り機器」という棚に並んでいても、感知して知らせる機能を本来機能として持っている製品は対象になり、映像を見せることが本来機能の製品は対象にならないということが起こります。

ここを押さえておくと、この先の話がすべてつながります。

介護保険で借りられるのは「感知して、知らせる機器」

介護保険の福祉用具貸与には13の種目があり、そのうちのひとつが「認知症老人徘徊感知機器」です。国の告示では、次のように定められています。

認知症である老人が屋外へ出ようとした時等、センサーにより感知し、家族、隣人等へ通報するもの

さらに国の通知(老企第34号)では、屋内のある地点を通過した時にセンサーで感知し、家族などへ通報するものも含まれるとされています。玄関だけでなく、廊下や部屋の出入口に置くタイプも対象になるということです。

重要なのは「通報」という言葉です。この種目の本来機能は、感知することと、知らせることの2つで説明されています。映像を見せることは、ここに入っていません。

カメラが対象から外れる理由

見守りカメラの本来機能は「映像を映して、離れた場所から見られるようにすること」です。これは告示に書かれた機能とは別のものなので、認知症老人徘徊感知機器には当たらず、13種目のどこにも入りません。結果として、レンタルも購入も介護保険の対象外になり、全額自己負担になります。

ただし、ひとつ注意点があります。カメラの形をしていても、離床や通過を感知して知らせることが本来機能になっている製品もあります。この場合は判断が変わり得ます。逆に、感知して知らせる機器に、おまけとしてカメラが付いている製品もあります。

だから「カメラだから対象外」と製品の見た目で決めつけないでください。確かめ方は次の一言です。

福祉用具の事業者に聞く言葉
「この機器は、感知して知らせることが本来の機能ですか。それとも映像を見るための機器ですか」

どれを選ぶかは「見ている家族がどこにいるか」で決まる

ここからが、実際に選ぶときの話です。相談を受けていたとき、私はこの3つを並べて説明していました。機器の性能を比べるのではなく、「ご家族が、どこにいるときの心配ですか」から入ります。

家族がいる場所 向いているもの 介護保険
家の中で、本人の近くにいる
(同じ家にいて、気づける距離)
センサー
玄関・部屋の出入口・ベッドの足元などで感知して鳴らす
対象になり得る
(認知症老人徘徊感知機器)
家の中の別室、または遠くにいる
(仕事中・別居・帰りが遅い)
カメラ
今どうしているかを、その場で見て確かめられる
対象外=自費
本人が家から出たあと
(出てしまってから探す場面)
GPS付きのもの
今どこにいるかを位置で知る
現在は自費が中心。2026年に見直しが進んでいます(後述)

この3つは、優劣ではなく担当している場面が違います。センサーは「出ていこうとしていること」に気づくためのもので、気づいた人がそばにいないと意味がありません。カメラは離れていても様子が分かりますが、出ていってしまったあとの居場所までは分かりません。GPSは出たあとに強いかわりに、出ていく前に止めることはできません。

ですから、「いちばん良いものはどれですか」と聞くより、「私は普段どこにいるか」を先に決めてから相談したほうが、話が早く進みます。心配している時間帯に、ご自身がどこにいるかを思い浮かべてみてください。

なお、実際には組み合わせることもよくあります。日中は家にいるので玄関のセンサー、夜と外出時はカメラ、という形です。認知症徘徊感知機器の選び方では、センサーの種類(赤外線・マット・ドア開閉・離床)と置き場所を詳しく整理しています。

同じ機器でも「使う目的」で対象かどうかが変わる

ここが、家族にとっていちばん分かりにくいところです。認知症老人徘徊感知機器は、機種が決まれば自動的に借りられる、というものではありません。「その人の状態と、何のために使うのか」で判断されます。

たとえば神奈川県大和市は、次のような使い方は保険給付の対象外になると案内しています(同市の案内・2024年6月時点)。

  • ベッドから落ちてしまうことがあり、転落防止のために使用している
  • 徘徊がない方の、見守り用に使用している
  • 寝返りや歩行等ができない方のバイタルセンサーとして使用している

判断の軸として示されているのは、「利用者が自ら動き出して徘徊する可能性があるのかどうか」です。同じマットセンサーでも、歩いて出ていく方に使えば対象になり、ベッドから落ちないよう見張るために使えば対象外になる、ということが起こります。

ただしこの線引きの細かさは市区町村によって差があります。上の3つはあくまで一例で、同じ説明をしていない保険者もあります。実際の可否は担当のケアマネジャーと市区町村の窓口で確認してください。

ケアマネジャーに聞く言葉
「うちの親の今の状態と、使いたい目的だと、対象になりそうですか」

「どうせ通らない」と決めつけないでください

相談を受けていて感じていたのは、申請そのものは、必要性がきちんと示されていれば通ることが多いということです。特に、通院などひとりで外に出る機会が実際にある場合は、必要性が具体的に説明しやすくなります。

「認知症の診断があるかどうか」だけで決まるわけではなく、その人が実際に外へ出ていく可能性があるという事実が伝わるかどうかです。認知症の親への対応でも書いていますが、家族が見ている具体的な場面ほど、専門職にとっては材料になります。

「夜中に玄関の鍵を開けていた」「デイサービスに行く日を勘違いして、朝ひとりで出ていった」——そういう具体的な出来事を、そのまま伝えてください。「なんとなく心配」よりずっと伝わります。

自費でそろえるときに必要なもの(買う場合と、借りる場合)

カメラそのものは介護保険の対象外なので、自分で用意することになります。ここで方法が2つに分かれます。買ってそろえる形と、福祉用具の事業者から借りる形です。順に説明します。

買う場合|① 本体の購入

販売店で買います。福祉用具の事業者に相談していれば、自費のものであっても販売店や商品を紹介してもらえることはあります。ここは、レンタルの相談の延長で進められる部分です。

買う場合|② 通信回線の契約は、ご家族自身で行う

見守りカメラは映像を送るため、インターネット回線につながっていないと働きません。そして買ってそろえる場合、この回線の契約は福祉用具の事業者が代わりに行うことはできません。ご家族自身で契約していただくことになります。

介護保険のレンタルに慣れていると、「相談すれば一式そろえて設置まで来てくれる」と思ってしまいがちです。買う場合はそこが違います。本体は買う、回線は自分で契約する。この2段構えになります。

特に問題になりやすいのが、親の家にインターネット回線がない場合です。高齢のご本人だけが暮らしている家では、そもそもWi-Fiが引かれていないことが珍しくありません。この場合の選択肢は、おおまかに次のどちらかになります。

  • 親の家に新しく回線を引く … 工事と月額の契約が要る。ご本人名義の契約になることが多い
  • SIMカードが入るタイプ(モバイル回線で動くカメラ)を選ぶ … 工事は不要だが、通信量に応じた月額がかかる

どちらにしても月々の通信費が続けてかかります。本体価格だけで判断せず、「毎月いくら払い続けることになるか」まで確かめてから決めてください。また、契約や支払いをご本人名義にするのか家族名義にするのかも、先に決めておくと後の手続きが楽になります。

借りる場合|介護保険の部分と自費の部分に分かれた商品がある

ここまでは「買う場合」の話でした。実は、買わずに借りる形もあります。これを知らないまま、回線が引けないという理由であきらめてしまう方がいます。

機器によっては、ひとつの商品が「介護保険の部分」と「自費の部分」に分かれていることがあります。

  • 徘徊を感知して知らせる部分 … 認知症老人徘徊感知機器として介護保険の貸与
  • 通信にあたる部分回線込みの自費レンタル

この形なら、ご家族が別に回線を契約する必要がありません。親の家にインターネットがない場合、これは現実的な道になります。「カメラを買って、回線も自分で引く」しかないと思い込んでいた方には、選択肢がひとつ増えます。

なぜこんな分かれ方をしているかというと、制度がそうなっているからです。国の通知では、認知症老人徘徊感知機器に限って、通信機能を物理的に区分できる場合にかぎり、種目に相当する部分だけを給付対象とするという扱いがとられてきました(平成27年の通知改正)。だから「感知して知らせる部分は保険、通信の部分は自費」という切り分けになります。

そしてこの「分けなければいけない」という前提こそが、2026年の見直しで変わろうとしている部分です。次の章で説明します。

福祉用具の事業者に聞く言葉
回線込みで借りられるものはありますか。その場合、介護保険の部分と自費の部分は、それぞれ毎月いくらになりますか」

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自費で買う場合に、どこで探すか

先に確認してほしいのは、回線込みで借りられる形があるかどうかです。そこで賄えるなら、買う必要はありません。本当は借りられるものを自費で買ってしまうのが、いちばんもったいない買い方です。そのうえで「やはり買って用意する」と決まった場合は、次の2つのどちらかになります。

  • Wi-Fiにつなぐタイプ(親の家にすでにインターネット回線がある場合)
    Amazonで見る / 楽天で見る
  • SIMカードが入るタイプ(回線がない家でも工事不要。ただし通信量に応じた月額がかかります)
    Amazonで見る / 楽天で見る

どちらを選んでも本体価格とは別に、毎月の通信費が続けてかかります。商品ページでは本体価格しか目に入りませんので、月額がいくらで、誰の名義で契約するかまで決めてから買ってください。

※ここで買うカメラは介護保険の対象外です。保険で借りられるのは、徘徊のある方について、感知して知らせる部分にあたる機器です(上で説明したとおりです)。対象になるかどうかは、担当のケアマネジャー・福祉用具専門相談員に確認してください。

2026年に見直しが進んでいます(GPSの扱い)

ここは今まさに動いている部分です。まだ実際に運用が変わったわけではありませんが、方向は示されています(以下は2026年8月時点の状況です)。

2026年3月、国の検討会で「通信機能を備えた福祉用具」の取り扱いについて整理案が示され、同年3月30日の社会保障審議会・介護給付費分科会に報告されました。示された内容のうち、家族に関係するのは次の点です。

示された方向 内容
新たに対象とする方向 屋外へ携行するタイプの徘徊感知機器。GPSで位置情報を家族へ通知する機能
あわせて整理 徘徊感知機器は、通信機能が内蔵されている場合も対象とする方向。前章で説明した「介護保険の部分と自費の部分に分ける」という前提が要らなくなるということです(これまでは通信部分を物理的に分けられる場合に限られていました)
対象外とされたもの 車いすや歩行器などに搭載される位置情報の通知機能。徘徊の予防や探索の効果が十分に確認できなかったため
自己負担のまま 通信料金/アプリやソフトの利用・サブスクリプション/スマートフォン・タブレット等の端末/Wi-Fiなどの通信機器の調達費用
給付には含まれない 駆けつけや安否確認といった人が動くサービス(別の契約として自己負担で利用することは可能)

読み取っておきたいのは「徘徊感知機器としてのGPSは対象になる方向だが、それ以外のGPSは対象外」という線引きです。GPSであれば何でも借りられるようになる、という話ではありません。

そして施行時期は、この記事を書いている時点では決まっていません。福祉用具の情報システム(TAIS)の改修が終わるのに合わせて通知を出す予定、とされています。

ですから今の時点で「GPS端末を介護保険で借りたい」と申し込んでも、まだ通りません。今すぐ必要な場合は自費で用意することになります。そのうえで、「制度が変わったら教えてください」と担当のケアマネジャーと福祉用具の事業者に伝えておくのが現実的な動き方です。

機器を入れても、それだけでは解決しないことがある

最後に、これは実際に何度も見てきたことなので正直に書きます。機器を入れたのに、うまくいかなかったケースがあります。そして原因は、機械の性能ではありませんでした。

いちばん多いのは「鳴りすぎて、家族が切ってしまう」

感知するたびに鳴るので、夜中に何度も起こされることになります。トイレに立っただけでも鳴ります。そうすると、ご家族が電源を切ってしまうのです。切ってしまえば、当然その日は何の役にも立ちません。

これは家族が悪いのではありません。眠れない日が続けば、誰でもそうなります。ですから、機器を入れるときは「どこで鳴らすか」を絞ってください。家じゅうの出入口に付けるより、実際に出ていく1か所——多くの場合は玄関です——に絞ったほうが、結果として長く使えます。夜だけ入れる、という使い方でも構いません。

鳴る回数を減らすことは、機能を諦めることではありません。使い続けられる形にすることです。

マットセンサーを「またいで通る」方がいる

床に置くマットセンサーは、踏むことで感知します。ところが、そこをまたいで通ってしまう方がいます。全員ではありません。多くの方には問題なく使えますが、ときどき、そういう方がおられます。

これは事前に見抜くのが難しいので、設置してしばらく様子を見て、感知していないようなら早めに担当者へ伝えてください。レンタルであれば、別の方式(ドアの開閉を感知するタイプなど)に替えてもらえます。借りているものは、合わなければ替えられます。ここはレンタルの大きな利点です。

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機器・通信・駆けつけを、まとめて任せる形もあります

ここまで見てきたのは、本体を買って回線は自分で契約する形と、保険の部分と自費の部分に分けて借りる形の2つでした。もうひとつ、機器・通信・異常時の対応までをまとめて契約する形があります。ホームセキュリティの見守りプランがこれにあたります。通信が含まれているものが多いため、親の家にインターネット回線がない場合でも、別に回線を引かずに済むことがあります。ただし守る対象が違います。カメラが「映像で様子を確かめる」ものなのに対して、こちらは一定時間動きがないこと・急病・火災を検知して、人が駆けつける形です。外へ出ていくことは感知しませんので、徘徊が心配な場合は前述の徘徊感知機器のほうが役割に合います。逆に、カメラで見られるのを嫌がる親御さんの場合や、倒れて動けなくなることが心配な場合は、こちらのほうが合うことがあります。月額と、どこまで対応してもらえるかは会社ごとに違うので、資料で条件を確かめてから決めてください。

セコム・ホームセキュリティの資料を取り寄せる(無料)

※ホームセキュリティは介護保険の対象外です。保険で借りられるのは「徘徊を感知して知らせる部分」までで、通信や駆けつけの契約は自費になります。機器のレンタル可否・機種の選定は、担当ケアマネジャーまたは福祉用具専門相談員にご相談ください

よくある質問

見守りカメラは介護保険でレンタルできますか?

映像を見ることが本来の機能である見守りカメラは、介護保険の対象外です。介護保険の福祉用具貸与13種目のどれにも当たらないため、レンタルも購入も全額自己負担になります。介護保険で借りられるのは「センサーで感知して、家族などへ通報するもの」=認知症老人徘徊感知機器です。ただし、カメラの形でも感知して知らせることが本来機能になっている製品はあるため、製品ごとに福祉用具の事業者へ確認してください。

認知症の診断がないと、徘徊感知機器は借りられませんか?

種目の名前に「認知症老人」と付いていますが、判断されるのは実際にひとりで外へ出ていく可能性があるかどうかです。診断名だけで決まるわけではありません。逆に、認知症の診断があっても、使う目的が転落防止や体調の確認であれば対象外とされることがあります。実際に起きた出来事(夜中に鍵を開けていた、ひとりで出ていったことがある、など)を具体的にケアマネジャーへ伝えてください。

親の家にWi-Fiがありません。カメラは使えますか?

使えますが、回線の用意が必要です。買ってそろえる場合は、新しく回線を引くか、SIMカードが入るモバイル回線タイプのカメラを選ぶかの2つで、いずれも回線の契約はご家族自身で行うことになります(福祉用具の事業者が代わりに契約することはできません)。
ただしもうひとつ道があります。機器によっては、感知して知らせる部分を介護保険で借り、通信の部分を回線込みの自費レンタルにできる商品があります。この形なら家族が別に回線を契約する必要がありません。「回線込みで借りられるものはありますか」と福祉用具の事業者に聞いてみてください。

GPSで居場所が分かる機器は、介護保険で借りられますか?

2026年3月に、屋外へ携行するタイプの徘徊感知機器(GPSで位置情報を家族へ通知するもの)を給付対象とする方向が国の分科会に報告されました。ただし施行時期は決まっていません(福祉用具情報システムの改修に合わせて通知を出す予定とされています)。したがって現時点では自費で用意することになります。また、この見直しでも通信料金やスマートフォン等の端末代は自己負担のままです。

自治体の補助金は使えませんか?

介護保険とは別に、市区町村が独自にGPS端末や見守り機器の費用を助成していることがあります。名称は「徘徊高齢者位置探索サービス」「認知症高齢者見守り支援」などさまざまで、内容も自治体ごとに大きく違います。介護保険で対象外だからといって、費用の支援がまったくないとは限りません。お住まいの市区町村の高齢福祉の窓口か、地域包括支援センターに一度確認してみてください。

本人が嫌がって、カメラを付けさせてくれないのでは?

手すりや介護ベッドと比べると、カメラを嫌がられることは、私の経験ではあまりありませんでした。身につけるものではなく、本人に何かをしてもらう必要もないためだと思います。ただしご本人の受け止め方は人によって違います。黙って設置するより、「心配だから置かせてほしい」と一言伝えるほうが、後々こじれにくいです。

元・福祉用具専門相談員より
「見守りカメラは介護保険で借りられますか」という質問は、本当によく受けました。答えは「借りられません」なのですが、そこで話を終わらせると、ご家族は困ったまま帰ることになります。

ですから私は、いつも3つを並べて説明していました。家の中で近くにいるならセンサー、家の中の別室や遠くにいるならカメラ、家から出たあとならGPS。この順番で聞いていくと、たいていご家族のほうから「うちは夜が心配なんです」「日中は誰もいないんです」と出てきます。そこまで来れば、どれを選ぶかはほとんど決まっています。

機器の話でひとつだけ、先に知っておいてほしいことがあります。感知する機器は、鳴りすぎると必ず切られます。これは何度も見ました。家族を責める話ではなく、そうならない置き方を最初に決めておく、という話です。全部の出入口ではなく、実際に出ていく一か所に絞る。それだけで、続けられるかどうかが変わります。

そしてもうひとつ。借りているものは、合わなければ替えられます。マットをまたいで通ってしまう方に、そのままのマットを使い続ける必要はありません。「感知していないようです」と伝えるだけで、担当者は別の方式を持ってきます。言わないままだと、置いてあるだけの機械になってしまいます。

まとめ

  • 映像を見る見守りカメラは介護保険の対象外=全額自費
  • 借りられるのは「センサーで感知して、家族などへ通報するもの」=認知症老人徘徊感知機器
  • 対象かどうかは機械の名前ではなく本来機能で決まる。だから「使える/使えない」の両方の記事が存在する
  • カメラの形でも、感知して知らせることが本来機能の製品はあり得る。製品ごとに事業者へ確認する
  • 同じ機器でも、使う目的が徘徊への対応でなければ対象外とされることがある(転落防止・見守りのみ・体調確認)。線引きの細かさは市区町村差がある
  • 申請は、必要性が具体的に示されれば通ることが多い。ひとりで外出する機会(通院など)があるなら、その事実をそのまま伝える
  • 選び方の軸は「見ている家族がどこにいるか」。近くならセンサー、別室・遠くならカメラ、出たあとならGPS
  • 買ってそろえるときは「本体の購入」と「回線の契約」の2つ。回線はご家族自身で契約する。毎月の通信費まで含めて判断する
  • 借りる形もある。感知して知らせる部分は介護保険の貸与、通信の部分は回線込みの自費レンタルという商品がある。親の家にネット回線がない場合の現実的な道
  • 2026年3月に、屋外へ携行するGPS型の徘徊感知機器を対象とする方向が報告された。ただし施行時期は未定(2026年8月時点)。あわせて「保険の部分と自費の部分に分ける」前提も不要になる方向。通信料・端末代は引き続き自己負担
  • 感知する機器は鳴りすぎると切られる。鳴らす場所を絞る
  • マットセンサーをまたいで通る方もいる。感知していないと感じたら早めに伝えて、別の方式に替えてもらう

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この記事を書いた人
マッツ

福祉用具専門相談員として15年以上、在宅で暮らす高齢者とご家族の福祉用具選定・住宅改修に関わってきました。保有資格は福祉用具専門相談員(指定講習修了)、福祉住環境コーディネーター2級、介護支援専門員(有資格)。現在は介護業界を離れているため、特定のメーカーや事業者の立場に縛られずに書けるのが強みです。制度は公的機関の情報を確認して正確に、現場のことは見てきたまま正直に。その方針で「介護福祉ナビ」を運営しています。滋賀県在住。

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