高額介護サービス費の申請方法【払い戻しを受ける手順・上限額・対象費用を専門相談員が解説】

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高額介護サービス費とは?知らないと損する払い戻し制度

高額介護サービス費とは、1ヶ月に支払った介護保険サービスの自己負担額が一定の上限を超えた場合に、超えた分が後から払い戻される制度です。

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この記事は「高額介護サービス費の払い戻し」を確認する記事です。介護保険制度の基本は介護保険制度の基本、利用できるサービスは介護保険で使えるサービスの種類一覧で確認してください。

上限額や対象費用は世帯状況・所得区分で変わるため、通知が届いた場合や判断に迷う場合は市区町村窓口へ確認してください。

たとえば、要介護3の方が毎月2万7,000円の自己負担をしている場合、一般的な所得区分(上限44,400円)では払い戻しは発生しませんが、住民税非課税世帯(上限24,600円)であれば差額の2,400円が毎月払い戻されます。

この制度は「申請しなければ受け取れません」。せっかくの権利を見逃している方が非常に多いため、対象になるかどうかを必ず確認しましょう。

上限額は所得によって異なる【2024年度最新】

自己負担の上限額は、世帯の所得に応じて以下のように設定されています。

所得区分月額上限(個人)月額上限(世帯)
現役並み所得者(課税所得380万円以上)44,400円44,400円
一般(住民税課税世帯)44,400円44,400円
住民税非課税世帯(合計所得+年金収入80万円超)24,600円24,600円
住民税非課税世帯(年金収入80万円以下等)15,000円24,600円
生活保護受給者等15,000円15,000円

同じ世帯内に介護保険利用者が2人以上いる場合は、世帯合計の自己負担額が上限を超えた分が払い戻しされます。夫婦で二人とも介護保険を使っているケースでは特に効果が大きくなります。

対象になる費用・ならない費用

高額介護サービス費の計算に含まれる費用と含まれない費用があります。事前に確認しておきましょう。

対象になる費用(払い戻し計算に含まれる)

  • 訪問介護・通所介護(デイサービス)などの介護保険サービスの自己負担分
  • ショートステイ(短期入所生活介護)の介護サービス費の自己負担分
  • 施設サービス(特養・老健・介護医療院)の介護サービス費の自己負担分

対象にならない費用(含まれない)

  • 施設での食費・居住費(室料)
  • 日常生活費(洗濯代・理美容代など)
  • 福祉用具購入費・住宅改修費
  • 介護保険外のサービス費用(全額自己負担のサービス)

食費・居住費が対象外なのは、別の軽減制度「特定入所者介護サービス費(補足給付)」で対応しているためです。所得の低い方は補足給付と合わせて活用することで、さらに費用を抑えられます。

申請方法と手順【ステップ別に解説】

STEP1:市区町村から届く「支給申請書」を確認する

初めて高額介護サービス費の上限を超えた月の翌月頃に、市区町村から「高額介護サービス費支給申請書」が郵送されてきます。この通知が届いたら、申請の手続きを行いましょう。

通知が届かない場合でも、心当たりがある方は市区町村の介護保険担当窓口に問い合わせることをおすすめします。

STEP2:申請書に必要事項を記入する

申請書に以下の内容を記入します。

  • 被保険者の氏名・住所・介護保険被保険者証番号
  • 払い戻しを受ける振込先口座(本人または家族の口座)

STEP3:市区町村の窓口に提出する(または郵送)

記入済みの申請書を市区町村の介護保険担当窓口に提出します。多くの自治体では郵送での提出も可能です。必要書類は以下の通りです。

  • 高額介護サービス費支給申請書
  • 介護保険被保険者証
  • 振込先が確認できるもの(通帳など)
  • 本人確認書類(代理申請の場合)

STEP4:支給される

申請が受理されると、おおむね2〜3ヶ月後に指定口座に振り込まれます。一度申請すると、翌月以降は自動的に支給される自治体がほとんどです(毎月申請する必要はありません)。

申請を忘れていた場合は?時効は2年

高額介護サービス費の申請には2年間の時効があります。過去2年分まで遡って申請することが可能です。「知らなかった」「申請するのを忘れていた」という方も、まず市区町村に問い合わせてみましょう。

過去の領収書や利用明細書が手元にある場合は、それをもとに計算してもらうことができます。ケアマネジャーに相談するとスムーズに対応してもらえます。

高額介護サービス費の計算例【具体的なシミュレーション】

【例】住民税非課税世帯の方(上限15,000円)が要介護3で在宅サービスを利用している場合

  • デイサービス(週3回):自己負担 約12,000円
  • 訪問介護(週2回):自己負担 約8,000円
  • 訪問看護(月2回):自己負担 約3,000円
  • 合計自己負担:約23,000円

→ 上限15,000円を8,000円超過毎月8,000円が払い戻しされる

年間にすると96,000円の節約になります。この制度を知っているかどうかで、家計への影響は大きく変わります。

まとめ:高額介護サービス費は「申請が大前提」

  • 1ヶ月の介護サービス自己負担が上限を超えたら払い戻しを受けられる
  • 上限額は所得によって異なり、低所得の方ほど恩恵が大きい
  • 食費・居住費・福祉用具購入費は対象外
  • 市区町村から届く申請書に記入して窓口または郵送で提出する
  • 申請を忘れていても2年以内なら遡って申請できる
  • 一度申請すると翌月以降は自動支給されるケースが多い

「自分は対象になるの?」と思ったら、担当のケアマネジャーか市区町村の介護保険担当窓口に気軽に相談してみてください。利用料の明細書を持参すると、すぐに試算してもらえます。

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