特別養護老人ホーム(特養)への入り方【専門相談員がわかりやすく解説】

・サービス・施設

「特養に入りたいけど、どうすればいいの?」
「待機期間が長いって本当?」

特別養護老人ホーム(特養)は
費用が比較的安く、終身利用できることから
多くのご家族が希望する人気の施設です。

しかし入居条件や申し込み方法がわからず、
どこから始めればいいか迷っている方も多くいます。

この記事では、福祉用具専門相談員として15年間、
多くのご利用者・ご家族の施設入居をサポートしてきた経験をもとに、
特養の入居条件から申し込み方法、費用まで
わかりやすく解説します。

この記事でわかること
・特養の入居条件
・申し込みの流れと手順
・費用の目安
・待機期間を短くするコツ

特別養護老人ホーム(特養)とは?

特別養護老人ホームとは、
常時介護が必要な高齢者が
生活する公的な介護施設です。

正式名称は「介護老人福祉施設」といいます。

特養の特徴

✅ 費用が比較的安い
公的施設のため、民間の有料老人ホームより
費用が抑えられます。
所得に応じた負担軽減制度もあります。

✅ 終身利用ができる
原則として、入居後は
亡くなるまで生活することができます。

✅ 24時間介護スタッフが常駐
夜間も介護職員が常駐しているため、
重度の介護が必要な方も安心です。

✅ 医療連携がある
看護師が常駐し、
協力医療機関との連携もあります。

特養のデメリット

❌ 入居待ちが長い
人気が高く、全国的に待機者が多いです。
申し込んでから入居まで
数ヶ月〜数年かかることもあります。

❌ 個室とは限らない
施設によって個室・多床室(相部屋)があります。
個室は費用が高くなります。

❌ 自由度は低め
在宅や有料老人ホームに比べると
生活のルールや制約があります。

特養の入居条件

基本条件

特養に入居するには
以下の条件を満たす必要があります。

✅ 原則:要介護3以上であること
✅ 65歳以上であること
✅ 常時介護が必要な状態であること

2015年の介護保険法改正により、
原則として要介護3以上の方が
入居対象となりました。

要介護1・2でも入居できる場合がある

要介護1・2の方でも
以下のような「特例」に該当する場合は
入居できることがあります。

・認知症により日常生活に支障がある
・知的障害・精神障害などにより
 在宅での生活が困難な状態
・家族による虐待が疑われ
 心身の安全が確保できない
・一人暮らしで家族の支援が得られない

⚠️ 特例入居は施設側が必要性を判断します。
希望すれば必ず入居できるわけではありません。

40〜64歳でも入居できる場合がある

特定疾病(16種類)が原因で
要介護状態になった方は
40歳以上から介護保険が使えるため

特養への申し込み方法・流れ

ステップ①:要介護認定を受ける

まず介護保険の要介護認定を受け、
要介護3以上の認定を取得します。

まだ認定を受けていない方は
お住まいの市区町村の窓口か
地域包括支援センターに相談しましょう。

ステップ②:希望する施設を探す

以下の方法で施設を探せます。

・ケアマネジャーに相談する(一番おすすめ)
・市区町村の窓口で一覧をもらう
・インターネットで「特養 ○○市」で検索する
・「介護サービス情報公表システム」で検索する

⚠️ ポイント:複数の施設に同時申し込みができます。
1か所だけでなく、複数の施設に申し込んでおくと
入居までの期間を短くできます。

ステップ③:施設に直接申し込む

特養への申し込みは
希望する施設に直接行います。

必要なもの
・介護保険被保険者証
・要介護認定結果通知書
・申込書(施設の書式)
・かかりつけ医の診断書(施設による)

申し込みは無料です。
見学を兼ねて直接窓口に行くのがおすすめです。

ステップ④:入居順位の決定・連絡を待つ

申し込み後は施設側が
入居の優先順位を決定します。

優先順位に影響する主な要素
・要介護度(重いほど優先されやすい)
・在宅での介護状況(介護が困難な状況)
・緊急性(虐待・独居など)
・申し込みからの経過期間

順番が来たら施設から連絡が入ります。
その後、面談・健康診断を経て入居となります。

## 特養の費用の目安

特養の費用は大きく分けて以下の4つです。

費用の種類 内容 目安
介護サービス費 介護保険が適用される費用 自己負担1〜3割
居住費 部屋代(個室・多床室で異なる) 月0〜6万円程度
食費 1日3食分 月4〜5万円程度
日常生活費 理美容・日用品など 月1万円程度

⚠️ 合計の目安:月7〜15万円程度(所得・部屋タイプによって異なります)

負担軽減制度(補足給付)を活用しよう

所得や資産が一定以下の方は「補足給付(特定入所者介護サービス費)」という制度を使って、居住費・食費の負担を大幅に減らすことができます。

負担段階 対象者 食費の目安(1日)
第1段階 生活保護受給者など 300円
第2段階 低所得者(年金収入80万円以下など) 390円
第3段階① 年金収入120万円以下など 650円
第3段階② 年金収入120万円超など 1,360円
第4段階 上記以外(一般) 1,445円

💡 申請窓口はお住まいの市区町村の介護保険担当窓口です。入居前に確認しておきましょう。

待機期間を短くするコツ

特養は全国的に待機者が多く、
入居まで時間がかかることがあります。

少しでも早く入居できるよう
以下のポイントを押さえておきましょう。

① 複数の施設に同時申し込みする

特養への申し込みは
何か所でも同時にできます。

1か所だけに絞らず、
自宅や通院先から通いやすい範囲で
できるだけ多くの施設に申し込みましょう。

② 申し込みは早めに行う

待機期間が長い施設では
申し込みからの経過期間も
優先順位に影響することがあります。

「まだ早いかな」と思っても
早めに申し込んでおくことが大切です。

③ 状況の変化を施設に伝える

申し込み後に
・要介護度が上がった
・在宅介護が困難になった
・独居になった

などの変化があった場合は
すぐに施設に連絡しましょう。

優先順位が上がる可能性があります。

④ 待機中はショートステイを活用する

入居を待つ間も
在宅での介護は続きます。

ショートステイ(短期入所生活介護)を
定期的に利用することで
ご家族の介護負担を軽減しながら
入居を待つことができます。

⑤ ケアマネジャーに相談する

地域の特養の待機状況を
一番よく知っているのはケアマネジャーです。

「どの施設が比較的早く入れそうか」
「今の状況で優先されやすいか」など
気軽に相談してみましょう。

## よくある質問

Q. 申し込みにお金はかかりますか?

A. 申し込み自体は無料です。入居が決まってから費用が発生します。ただし施設によっては見学時に書類の準備が必要なことがありますので、事前に確認しておきましょう。

Q. 入居を断られることはありますか?

A. あります。医療的ケアの必要度が高い場合(人工呼吸器・点滴など)や、感染症がある場合は入居を断られることがあります。事前に施設の受け入れ条件を確認しておきましょう。

Q. 入居後に退去させられることはありますか?

A. 原則として終身利用できますが、以下の場合は退去となることがあります。①長期入院が必要になった場合 ②施設での対応が困難な医療行為が必要になった場合。退去の際はケアマネジャーや施設のスタッフが次の受け入れ先を一緒に探してくれます。

Q. 特養と有料老人ホームの違いは何ですか?

A. 大きな違いは費用と入居条件です。特養は公的施設のため費用が安く、要介護3以上が入居条件です。有料老人ホームは民間施設のため費用は高めですが、要介護度が低くても入居できる施設が多くあります。また有料老人ホームは施設によってサービス内容や設備が大きく異なります。

Q. 遠くの施設にも申し込めますか?

A. はい、申し込めます。ただし入居後の家族の面会や緊急時の対応を考えると、できるだけ自宅や家族の住まいに近い施設が望ましいです。

迷ったらこれ:まずは条件や費用を比較し、家族だけで抱え込まない選択肢を確認しておくと安心です。

気になるサービスや相談先は、下のリンクから確認してください。

サービスや相談先を比較する前に、本人の状態・費用・家族の負担を整理しておくと迷いにくいです。

📚 施設選びの参考に

🛒 老人ホーム選び方の本を見る 🛒 介護施設入居手続きの本を見る

特養を探す前に

以下のリンクには広告・アフィリエイトを含みます。特養は申し込み順だけでなく、要介護度や緊急性、地域の空き状況も関係します。早めにケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談し、複数施設を確認しましょう。

まとめ:早めの申し込みが特養入居の近道

特養(特別養護老人ホーム)のポイントをおさらいします。

✅ 入居条件は原則「要介護3以上」
✅ 費用は月7〜15万円程度(負担軽減制度あり)
✅ 申し込みは施設に直接・無料でできる
✅ 複数施設への同時申し込みがおすすめ
✅ 状況の変化は施設にすぐ伝える

特養は費用が安く終身利用できる
とても頼りになる施設ですが、
その分、入居までに時間がかかることも事実です。

「そのうち必要になるかも」と思ったら
早めにケアマネジャーに相談し、
申し込みだけでも済ませておくことをおすすめします。

待機中の在宅介護についても
ショートステイやデイサービスをうまく活用しながら
無理なく続けていきましょう。

📞 まだ介護保険を申請していない方や
ケアマネジャーがいない方は、
お近くの地域包括支援センターに相談してみてください。

関連記事もあわせてどうぞ
・要介護認定の申請方法をわかりやすく解説
・デイサービスとデイケアの違いとは?
・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?

関連記事

コメント