「手すりをつけたいけど、介護保険って使えるの?」
「工事する前に何か手続きが必要?」
介護保険の住宅改修は、最大20万円の工事費用のうち7〜9割を介護保険から補助してもらえる非常にお得な制度です。ただし、工事前に申請しないと一切補助が受けられないという落とし穴があります。
この記事では、元福祉用具専門相談員が住宅改修の対象工事・申請の流れ・絶対に知っておくべき注意点をわかりやすく解説します。
住宅改修で介護保険が使える6種類の工事
| 工事の種類 | 具体例 |
|---|---|
| ① 手すりの取付け | 廊下・トイレ・浴室・玄関・階段への手すり設置 |
| ② 段差の解消 | 玄関・廊下・居室の段差をなくすスロープ設置等 |
| ③ 滑り防止・移動円滑化の床材変更 | 畳→フローリング、タイル→滑り止め床材への変更 |
| ④ 引き戸等への扉変更 | 開き戸→引き戸・折り戸・アコーディオンカーテンへの取り替え |
| ⑤ 洋式便器等への便器変更 | 和式便器→洋式便器への取り替え |
| ⑥ 上記に付帯する工事 | 手すり設置のための下地補強工事など |
補助額・自己負担はいくら?
住宅改修の支給限度基準額は20万円です(1回限りではなく、要介護度が3段階以上上がった場合などにリセット可能)。
| 所得区分 | 自己負担割合 | 20万円の工事の場合の自己負担 |
|---|---|---|
| 一般(1割負担) | 1割 | 約2万円 |
| 一定以上所得(2割負担) | 2割 | 約4万円 |
| 現役並み所得(3割負担) | 3割 | 約6万円 |
申請の流れ【工事前の申請が絶対条件】
⚠️ 最重要:工事前に申請しないと補助ゼロになります
住宅改修で最も多いトラブルが「工事を先にしてしまった」ことです。「急いでいたから」「知らなかった」という理由でも、事後申請は原則認められません。必ず以下の順番を守ってください。
- ケアマネジャーに相談(改修の必要性を確認・理由書を作成してもらう)
- 施工業者から見積もりを取得(複数社の相見積もりを推奨)
- 市区町村に事前申請(必要書類:支給申請書・理由書・見積書・完成予定図など)
- 承認通知を受け取る(審査に1週間〜10日程度)
- 工事を実施する(承認後に着工)
- 事後申請(領収書・工事内訳書・工事前後の写真など提出)
- 補助金の支払い(7〜9割が後日振り込まれる)
申請に必要な書類チェックリスト
【事前申請】
- 介護保険住宅改修費支給申請書
- 住宅改修が必要な理由書(ケアマネジャーが作成)
- 工事費見積書
- 完成予定の状態がわかる図面または写真
- 工事前の現状写真(場所ごとに撮影)
【事後申請】
- 領収書
- 工事費内訳書
- 工事前・工事後の写真(撮影日がわかるもの)
- 住宅の所有者の承諾書(賃貸の場合)
専門相談員からひと言
「もう工事してしまった…」というご相談を何度か受けたことがあります。その場合、残念ながら補助を受けることができません。「工事の前にまずケアマネジャーへ」——これだけ覚えておけば大丈夫です。
また、住宅改修は一度使うと上限20万円に達するまで複数の工事を組み合わせることができます。一度に全部やらなくても、優先順位をつけながら計画的に進めることもできますよ。
「大がかりな工事になるのでは?」と心配される方もいますが、手すり1本の設置からでも相談・申請できます。「最近ちょっと怖そう」と感じた段階でケアマネジャーへ相談するケースも多く、早めに動くほど選択肢が広がります。
すぐに固定式の工事に踏み切らず、まず置き型手すりで試してから住宅改修を検討する流れもよくあります。生活動線に合わせた手すり設置の考え方も参考にしてみてください。
玄関の段差が気になりはじめた場合は玄関の段差が怖くなった時の対策、夜間のトイレ移動が不安な場合は夜間トイレ時の転倒リスクもあわせてご覧ください。
住宅改修と合わせて、手すりの設置も検討してみてください。
手すりのおすすめはこちらも参考にしてみてください。
住宅改修を考える時は、段差だけでなく廊下で壁づたいに歩いていないかも確認しておくと安心です。廊下の手すりや動線見直しについては、廊下を壁づたいで歩くようになった時の転倒予防でも解説しています。
住宅改修を検討する時は、移動中だけでなく、椅子・ベッド・トイレから立ち上がる場面でふらついていないかも確認しておくと安心です。立ち上がる時によろけるようになった時の対策も参考にしてください。
工事不要手すりの選び方・おすすめはこちらで確認できます。


コメント