要介護3・4・5の段階になると、車いすの選び方は大きく変わります。
この段階では全介助または大半の介助が必要で、長時間の座位保持や褥瘡(床すれ)への対策がより重要になります。私が福祉用具専門相談員として担当してきた方の中でも、この段階の方のご家族からは「どんな車いすを選べばいいかわからない」というご相談を多くいただきました。
・褥瘡(床ずれ)予防が最優先
・長時間でも姿勢が崩れにくい設計
・介助者の負担を減らせるか
・移乗(乗り降り)のしやすさ
要介護3〜5の方の状態の目安
| 要介護度 | 状態の目安 | 車いすの活用場面 |
|---|---|---|
| 要介護3 | 日常生活全般に介助が必要。立ち上がりや歩行が困難。 | 移動全般・通院・デイサービス |
| 要介護4 | 自立した行動がほぼ困難。食事・排泄・入浴全介助が必要な方も。 | ほぼ常時使用・長時間座位 |
| 要介護5 | 最重度。寝たきりに近い状態が多い。意思疎通が難しい場合も。 | リクライニング・ティルト式が中心 |
重度介護に適した車いすの種類
① リクライニング式車いす
背もたれが大きく後ろへ倒れる機能を持つタイプです。疲れたときに背もたれを倒して休憩できるため、長時間の使用でも負担が少ない。
フットレストも倒れるもが多く、足のむくみ対策にもなります。介助者が後ろから操作するため、全介助の方にも対応できます。
② ティルト式車いす
座面ごと後ろに傾く(チルト)タイプです。リクライニングと異なり、身体の角度を保ったまま全体が傾くため、体のズレが起きにくい。褥瘡予防効果が高く、重度介護の方に多く使われます。
③ リクライニング+ティルト複合式
両方の機能を持つ最上位モデル。体の状態に合わせて細かく調整できるため、最も対応範囲が広い。重量があり価格も高いが、要介護5の方や施設入居者に多く使われます。
重度介護に適したクッションの種類
必ずエア型またはハイブリッド型を選ぶ
要介護3〜5の方は長時間の座位が続き、自分で姿勢を変えることが難しいため、体圧分散性が最も高いエア型またはハイブリッド型が必須です。
ウレタン型では体圧分散が不十分で、褥瘡のリスクが高まります。特に要介護4・5の方は、ハイブリッド型(JAY J2など)を強くおすすめします。
クッションの高さも重要
リクライニング・ティルト式車いすにクッションを使う場合、厚みが増すと座面高が変わることに注意が必要です。フットレストの高さも合わせて調整しましょう。
おすすめ商品
【車いす】介助式車いす ハピネスライト CA-22SU
| タイプ | 介助式(全介助対応) |
| 重量 | 10.5kg(超軽量) |
| 特徴 | コンパクト・室内の狭い廊下でも取り回しやすい |
| 価格帯 | 24,000円前後 |
全介助が必要な方に最適な超軽量介助式。介助者の疲労を減らしながら安全に移動できる。狭い自宅でも取り回しやすいコンパクト設計。
【クッション】JAY J2クッション(ハイブリッド)
| 素材 | JAYフロー流動体パッド+コンツアベース(ハイブリッド) |
| 特徴 | 仙骨・坐骨への圧を最大限除去・骨盤安定・ズレ力吸収 |
| 適応 | 褥瘡予防・褥瘡治療中の方・重度介護 |
| 保険 | 介護保険レンタル対象(要介護2以上が目安) |
世界標準のクッションとして医療・介護現場で広く使われるJAY J2。流動体パッドが体の形に密着し、座骨への圧力を逃がす。既に褥瘡がある方にも使用されます。
重度介護で車いすを使う際の注意点
乗車時間は最長2時間を目安に
どれだけ優れたクッションを使っても、同じ姿勢を続けることは褥瘡の原因になります。2時間に1回はポジショニング(体位変換)を行い、皮膚への圧力を分散させることが重要です。
定期的な皮膚状態の確認
特に仙骨部・坐骨部・大転子部など圧迫を受けやすい部位は、乗車後に皮膚の発赤(赤み)がないか確認してください。発赤が30分以上続く場合は褥瘡の初期サインです。
クッションの定期的な状態チェック
クッションが変形・へたりを起こすと体圧分散機能が著しく低下します。3〜6ヶ月に1度はクッションの状態を確認し、劣化が見られたら速やかに交換を検討しましょう。福祉用具専門相談員に相談すれば、介護保険を使った交換対応も可能です。
移乗時の安全確保
要介護3〜5の方は自力での移乗が困難なため、スライディングボードやリフトなどの福祉用具を活用した安全な移乗が重要です。無理な抱き上げは介助者の腰痛にもつながります。
重度介護の方に合った車いすを選ぶことが、介護負担の軽減につながります。
車いすのおすすめランキングはこちらも参考にしてみてください。
まとめ:要介護3〜5の方の車いす・クッション選びのポイント
重度介護が必要な方の車いす・クッション選びは、褥瘡予防・姿勢保持・介助のしやすさを軸に考えることが大切です。
- 車いすはリクライニング式・ティルト式を優先的に検討
- クッションはゲル素材・エアー素材・ハイブリッド型など体圧分散性の高いものを選ぶ
- 乗車は最大2時間を目安に、定期的なポジショニングを忘れずに
- 介護保険でのレンタルは要介護2以上が対象(要介護3〜5の方は全員該当)
- 選定はケアマネジャーや福祉用具専門相談員と連携して行う
担当のケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談しながら、その方の状態に合った最適な車いすとクッションを選んでください。


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