「シャワーチェアを買いたいけれど、種類が多くてどれを選べばいいかわからない」と迷っていませんか。
在宅介護の現場でも、シャワーチェア選びは意外と失敗しやすいところです。たとえば、価格だけで小さめの椅子を選んだ結果、座ったときに不安定だったり、肘掛けがなく立ち上がりにくかったりして、結局買い直しになるケースもありました。
結論からいうと、シャワーチェアは安定性と身体状況に合わせて選ぶことが大切です。この記事では、元福祉用具専門相談員の視点から、初めてでも失敗しにくいシャワーチェアの選び方と、おすすめのタイプをわかりやすく整理します。
この記事でわかること
- シャワーチェア選びで見るべきポイント
- 安定性重視タイプが向いている人
- 浴槽またぎや浴室内の移動まで対策したい人の選び方
- 介護保険とネット購入の違い
シャワーチェアの選び方は4つだけ見ればOK
シャワーチェアは、機能が多いほどよいというものではありません。まずは次の4つを確認すると、選びやすくなります。
高さ:足裏がしっかり床につくか
座ったときに足裏が床につかないと、姿勢が不安定になります。反対に低すぎると、立ち上がるときに膝や腰へ負担がかかります。高さ調整ができるタイプを選ぶと、本人の身長や浴室環境に合わせやすくなります。
安定性:脚幅と滑り止めを確認する
浴室は濡れて滑りやすいため、脚がしっかり広がっているもの、脚先に滑り止めが付いているものを選びたいところです。現場感としては、初めての1台ほど「コンパクトさ」より「安定感」を優先したほうが失敗しにくいです。
背もたれ:座位が不安な人はあったほうが安心
背もたれがあると、洗髪時や疲れているときに姿勢を保ちやすくなります。立って洗うのが不安な方、座っている時間が長くなりそうな方は、背もたれ付きが候補になります。
ひじ掛け:立ち座りに不安があるなら重要
ひじ掛けは、座る・立つ動作の支えになります。片まひがある方、足の力が弱っている方、立ち上がり時にふらつく方は、ひじ掛け付きのほうが使いやすいことが多いです。
なお、シャワーチェアを使い始めるタイミングについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
シャワーチェアはいつから使う?転倒を防ぐ導入目安と失敗しない選び方
おすすめシャワーチェアはタイプ別に選ぶ
ここでは、初めて選ぶ方でも判断しやすいように、シャワーチェアを2つのタイプに分けて紹介します。
A:安定性重視タイプ
結論:まずは安定性重視で失敗を避けたいならこのタイプ。
安定性重視タイプは、座面が広めで、背もたれやひじ掛けが付いたシャワーチェアです。例としては、パナソニック エイジフリーの「ユクリア」シリーズのような、在宅介護でよく選ばれるタイプが候補になります。
このタイプが向いている人
- 初めてシャワーチェアを購入する人
- 立ったまま体を洗うのが不安な人
- 浴室での転倒リスクを下げたい人
- 立ち座りのときに支えがほしい人
- 家族が介助しながら入浴することがある人
現場で見る利用者の傾向
福祉用具の現場では、初めてシャワーチェアを使う方ほど「とりあえず小さい椅子でいい」と考えがちです。ただ、実際に使ってみると、座面が狭い、ひじ掛けがない、姿勢が崩れやすいといった理由で不安が残ることがあります。
特に、足腰の筋力低下がある方や、浴室で一度でもヒヤッとした経験がある方は、最初から安定性の高いタイプを選んだほうが安心です。
商品説明
安定性重視タイプは、背もたれ・ひじ掛け・高さ調整がそろっているものが多く、座る、洗う、立ち上がるという一連の動作を支えやすいのが特徴です。折りたたみタイプなら、使わないときに浴室内で場所を取りにくい点も便利です。
浴室が極端に狭い場合はサイズ確認が必要ですが、迷ったときの基本候補として選びやすいタイプです。
はじめての1台として選ばれることが多く、失敗しにくいタイプです。
B:浴室全体対策タイプ
結論:浴槽またぎや移動も含めてまとめて対策したいならこのタイプ。
浴室全体対策タイプは、シャワーチェア単体だけでなく、浴槽への出入りや浴室内の移動まで考えて選びたい方向けです。例としては、アロン化成の「安寿」シリーズのように、シャワーベンチ、浴槽台、手すりなどを組み合わせて検討しやすいタイプが候補になります。
このタイプが向いている人
- 浴槽をまたぐ動作にも不安がある人
- 浴室内の移動でふらつきやすい人
- シャワーチェアだけでなく浴槽台や手すりも検討したい人
- 介助者が浴室内で動きやすい環境を作りたい人
- 今後の身体状況の変化も見越して準備したい人
現場で見る利用者の傾向
浴室の転倒リスクは、体を洗っている最中だけではありません。実際には、浴室に入る、椅子へ座る、立ち上がる、浴槽をまたぐ、脱衣所へ戻るといった動線の途中で不安が出ることも多いです。
「椅子に座れば安心」と思っていても、浴槽またぎでふらつく場合は、シャワーチェアだけでは対策が足りないことがあります。そのため、浴室全体の動きを見ながら、必要に応じて浴槽台や手すりも合わせて考えると安心です。
商品説明
浴室全体対策タイプでは、背もたれ・ひじ掛け付きのシャワーベンチを中心に、浴槽台や入浴用手すりと組み合わせて使うことを想定します。シリーズでそろえるとサイズ感や使い勝手を比較しやすく、家族も検討しやすいのがメリットです。
ただし、浴室の広さや浴槽の高さによって合う用具は変わります。浴槽またぎに強い不安がある場合は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に浴室環境を見てもらうと、より安全に選びやすくなります。
シャワーチェアだけで不安が残る場合は、浴室全体で考えるタイプが向いています。
比較まとめ:迷ったらどちらを選ぶ?
| タイプ | 向いている人 | 選び方の目安 |
|---|---|---|
| 安定性重視タイプ | 初めて購入する人、座位や立ち座りが不安な人 | 迷ったらまず候補にしたい |
| 浴室全体対策タイプ | 浴槽またぎや浴室内移動も不安な人 | 椅子だけでなく動線全体を整えたい |
迷った場合は、まずは安定性の高いタイプから選ぶのがおすすめです。
一方で、浴槽をまたぐときのふらつきや、浴室内の移動そのものに不安がある場合は、シャワーチェア単体ではなく、浴室全体対策タイプとして検討するのがおすすめです。
立ち上がりや移動の不安がある方は、手すりのおすすめ(立ち上がり・移動別の選び方)はこちら。
転倒対策としては、シャワーチェアと手すりを併用するケースも多いです。手すりのおすすめ(立ち上がり・移動別の選び方)はこちら。
介護保険とネット購入の違いも軽く確認
シャワーチェアは、介護保険では「特定福祉用具販売」の対象になることがあります。介護保険を使う場合は、原則として指定を受けた福祉用具販売事業所から購入する流れになります。
一方、Amazonや楽天などのネット購入は、基本的に自費購入として考えておくとわかりやすいです。すぐに購入しやすい反面、身体状況や浴室環境に合うかは自分で確認する必要があります。
制度について詳しく知りたい方は、まずこちらの記事も参考にしてください。
シャワーチェアはいつから使う?転倒を防ぐ導入目安と失敗しない選び方
まとめ:シャワーチェアは安定性と身体状況で選ぶ
シャワーチェアは、価格や見た目だけで選ぶと、実際の入浴動作に合わず使いにくくなることがあります。
迷ったら、まずは背もたれ・ひじ掛け・高さ調整がある安定性重視タイプを候補にしましょう。浴槽またぎや浴室内の移動にも不安がある場合は、浴室全体の動線まで含めて対策するタイプを選ぶと安心です。


コメント