歩行器を使うと外出が増える?|買い物や旅行を楽しめるようになる人も

歩行器を使うと外出が増える?|買い物や旅行を楽しめるようになる人も ・介護用品 福祉用具
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「転ぶのが怖くて、最近あまり出かけなくなった」
「足元が不安で、前みたいに歩けなくなってきた」

※この記事は、元福祉用具専門相談員として実際の相談現場で多かった事例や質問をもとに作成しています。

そんなふうに、少しずつ外出を控えるようになる方は少なくありません。

家族としても心配だから「無理して出かけなくていいよ」と言ってしまう。でも本人は、ずっと家にいるのがつらかったりする。

歩行器というと、「もう歩けなくなった人が使うもの」「外出できなくなったサインだ」と感じる方もいます。

でも実際には、歩行器を使うことで「またスーパーへ行けるようになった」「旅行に行けた」という方もいます。

今回は、歩行器と外出の関係について、現場の視点からお伝えします。

転倒が不安で外出を控える人は多い

「最近、外出が減った」という方の話を聞くと、その背景に転倒への不安があることが多いです。

  • 段差につまずきそうで怖い
  • 長距離を歩くと疲れてしまう
  • 途中で休む場所がなかったらどうしよう
  • 万が一転んだら…と考えてしまう

一度転倒を経験した方や、足腰に不安を感じてきた方ほど、この”恐怖感”は大きくなりがちです。

外出そのものを減らすことで安全を守ろうとするのは自然な反応ですが、その分、生活の楽しみも少しずつ減っていく…ということも起きやすくなります。買い物の疲れが強くなってきた段階の考え方はスーパーでの買い物が疲れるようになったらで整理しています。

父:「前みたいに長く歩くのしんどなってきたなぁ」

娘:「最近あんまり外出せんようになったもんな」

【現場の一言】転倒への不安から、少しずつ外出回数が減っていく方は少なくありません。「出かけたい気持ちはあるけれど、怖くて一歩が踏み出せない」という方も多く、そのお気持ちは十分に理解できます。

歩行器を使うと外出が増える_転倒不安で外出が減る高齢男性

歩行器があることで”また行ける”につながることもある

歩行器には、外出時の不安を和らげてくれる要素がいくつかあります。

  • 途中で座って休める(シートタイプの場合)
  • 荷物をバスケットに置ける
  • しっかり握れる安心感がある
  • 自分のペースで歩ける

「疲れたらいつでも休める」という安心感があると、気持ちのハードルがぐっと下がります。「行ってみようかな」という気持ちが生まれやすくなるのです。

行動範囲が狭まるのではなく、”行けるかどうか分からなかった場所に、また行けるようになる”——そんな使い方をしている方も実際にいます。

娘:「歩行器あったら途中で休みながら行けるかもしれんで」

父:「それならスーパーくらい行けるかな」

【現場の一言】”歩けなくなったから使う”ではなく、”今まで通り出かけるため”に歩行器を取り入れる方も多い印象です。道具をうまく活用することで、生活の幅が広がるケースは珍しくありません。

買い物や旅行など外出を続ける目的なら、屋外で使いやすい歩行車を選ぶことも大切です。候補を比較する場合は歩行車おすすめランキングも確認してください。

家族と一緒に買い物へ行ける時間が増えることも

外出の機会が増えると、家族と過ごす時間にも変化が出てくることがあります。

  • 一緒にスーパーへ行く
  • コンビニへ立ち寄る
  • 近くのファミレスで外食する
  • ちょっとした散歩に付き合う

「特別なことじゃなくていい、ただ一緒に出かけられるだけでいい」そういう時間が、本人にとっても家族にとっても、とても大切なものだったりします。

歩行器があることで、安全面の心配が少し和らぎ、家族も一緒に出かけやすくなる——そんな変化が起きることもあります。

娘:「今日ちょっとスーパー行こか」

父:「最近あんまり出てへんしなぁ」

【現場の一言】歩行器を使うことで、安全面だけではなく、”家族と一緒に外出できる時間”が増える方もいます。日常の小さな外出が、会話や気分転換のきっかけになることも多いです。

歩行器を使うと外出が増える_家族と一緒に買い物する高齢男性と娘

旅行や長時間の外出では、歩行器だけで無理をするより、車いすを併用した方が外出を楽しみやすい場合があります。外出用の候補を見たい方は、車いすおすすめランキングも確認してみてください。

旅行や観光を楽しめるようになる人もいる

「歩行器を持って旅行なんて無理」と思っていた方が、実際に出かけられたという話もあります。

  • 春の桜を見に行く
  • 梅雨に紫陽花の名所を散策する
  • 温泉地でゆっくり過ごす
  • 観光地を自分のペースで歩く

ポイントは「歩きたいだけ歩く」ではなく、「途中で休みながら、無理なく楽しむ」スタイルに変えること。歩行器は、そのペース配分をサポートしてくれる道具でもあります。

「体力に自信がないから行けない」と思っていた場所に、歩行器があることで行けるようになる——そういう可能性も、頭の片隅に置いておいてほしいと思います。

娘:「今度また紫陽花見に行ってみる?」

父:「長く歩けるか不安やなぁ」

娘:「途中で休みながらやったら行けるかもしれんで」

【現場の一言】歩行器を使うことで、”危ないから外出を減らす”のではなく、旅行や散歩など”楽しみを続けやすくなる”方もいます。「もっと早く使えばよかった」という声を聞くことも珍しくありません。

歩行器を使うと外出が増える_旅行や散歩を楽しむ老夫婦

「歩行器=終わり」ではない

「歩行器を使い始めたら、もう終わりだ」「弱くなった証拠だ」という声を聞くことがあります。

でも現場でお会いしてきた方々の中には、歩行器を使い始めてから逆に活動量が増えた方も少なくありません。

歩行器を使わずに外出を避けていた頃よりも、歩行器と一緒に毎日散歩するようになった——そういう変化もあります。

道具はあくまで道具です。使い方次第で、行動範囲を狭める方向にも、広げる方向にも働きます。

「歩行器を使い始めた=外出できなくなった」ではなく、「歩行器を使い始めた=また外出できるようになった」という捉え方をしてみてほしいと思います。

【現場の一言】実際には、「もっと早く使えばよかった」と話される方も少なくありません。使い始めるタイミングを早めることで、その後の生活の質が変わることもあります。

最初は近所の買い物からでも大丈夫

「歩行器を使う」と決めたとしても、いきなり遠出をする必要はありません。

最初は近所のコンビニや、よく行くスーパーから試してみるだけでも十分です。

  • 無理に長距離を歩かない
  • 慣れてきたら少しずつ距離を伸ばす
  • 「今日はここまで」と決めて、無理しない
  • できることを少しずつ増やしていく

歩行器の使い方や自分のペースをつかめてくると、自然と「もう少し遠くまで行ってみようか」という気持ちになってくることもあります。

焦らず、少しずつ。「また外に出てみる」ことから始めれば十分です。

娘:「まずはコンビニくらいからでええやん」

父:「それなら行けそうやな」

【現場の一言】最初から長距離外出を目指すのではなく、”また少し外へ出てみる”ことから始める方も多いです。小さな一歩が、その後の大きな変化につながることがあります。

歩行器を使うと外出が増える_近所のコンビニへ外出する高齢男性

よくある質問

歩行器を使うと、外出はどれくらい増えますか?

個人差が大きく、「必ず何回増える」とは言えません。実際の相談現場で多かったのは、まず近所の買い物が戻り、次に通院、そのあと友人との外食や旅行という順番でした。最初から遠出を目標にすると失敗しやすいので、「行き慣れた場所へ、付き添いありで一度」から始めるほうが続きます。

屋外で使う歩行器は、家の中でもそのまま使えますか?

兼用できないことがあります。屋外用は車輪が大きく安定しますが幅があるため、廊下やトイレの出入り口で回れないことがよくあります。家の中は手すりや杖にする、室内用を別に用意する、といった使い分けが一般的です。室内での考え方は歩行器は家の中だけでもいい?にまとめています。

歩行器を持ったままバスや電車に乗れますか?

折りたためるタイプであれば乗車できます。ただし乗降時の段差と、車内で手を離す瞬間が一番危ないので、最初は付き添いのある時間帯に試してください。事業者によって扱いが異なることがあるため、路線バスや長距離の移動を予定している場合は事前に確認しておくと安心です。

旅行に歩行器を持っていっても大丈夫ですか?

持っていけます。確認しておきたいのは宿の部屋と浴室に入る幅があるか、館内や観光先に段差が多くないかの2点です。介護保険でレンタルしている歩行器を旅行に持ち出してよいかは、契約している福祉用具事業者へ一度確認してください。旅先だけ別の機種を短期で借りられる場合もあります。

歩行器を使うと、1日どれくらい歩いてよいですか?

時間や距離では決めないでください。目安は「翌日に疲れが残らない範囲」で、痛みが出る、息が上がる、帰宅後に動けないほど疲れる場合は明らかに多すぎます。逆に、歩行器があるからと無理をして活動量を急に増やすと転倒が増えます。主治医やリハビリ職から運動量の指示が出ている場合は、そちらを優先してください。

まとめ

歩行器は「もう歩けない人のための道具」ではありません。

  • 買い物に行きたい
  • 家族と一緒に出かけたい
  • 旅行や観光を楽しみたい
  • 気分転換に散歩したい

そういった”今まで通りの生活を続けるため”に、歩行器を取り入れる方も多くいます。

転倒予防だけでなく、”また出かける理由”を作ってくれる道具でもある——それが歩行器の一面です。

焦らず、無理せず、近所の一歩から始めてみてください。「歩行器を使って出かけてよかった」と感じられる日が、きっとやってきます。

こちらも参考にどうぞ

歩行器の選び方・おすすめはこちらで確認できます。

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この記事を書いた人

介護福祉ナビ運営者

元福祉用具専門相談員。

福祉用具の選定、住環境整備、退院支援などに携わった経験をもとに、在宅介護で役立つ情報を発信しています。

実際の相談現場で多かった悩みや失敗例をもとに、家族が判断しやすい形で解説しています。

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この記事を書いた人
マッツ

福祉用具専門相談員として15年以上、在宅で暮らす高齢者とご家族の福祉用具選定・住宅改修に関わってきました。保有資格は福祉用具専門相談員(指定講習修了)、福祉住環境コーディネーター2級、介護支援専門員(有資格)。現在は介護業界を離れているため、特定のメーカーや事業者の立場に縛られずに書けるのが強みです。制度は公的機関の情報を確認して正確に、現場のことは見てきたまま正直に。その方針で「介護福祉ナビ」を運営しています。滋賀県在住。

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