最近、親が玄関でふらつくようになった。
靴を履く時に不安定で、靴箱に手をついている。
上がり框の昇り降りが大変そうで、外出するたびに転ばないか心配になる。
こうした場面が増えてきたら、玄関の環境を見直すタイミングかもしれません。
玄関は、家の中でも転倒が起こりやすい場所です。段差を越える、靴を脱ぎ履きする、荷物を持つ、傘を扱う、外から室内へ移る。小さな動作が重なりやすいため、高齢者にとっては思った以上に負担が大きくなります。
この記事では、玄関 転倒 高齢者で注意したい家の特徴と、上がり框 危険になりやすいポイント、手すりやミニスロープなど転倒前に考えたい対策をわかりやすく解説します。
玄関で転びやすい家の特徴
玄関での転倒は、足腰の弱りだけでなく、家の構造や動線も関係します。
ここでは、現場でよく見られる「玄関で危険になりやすい家の特徴」を整理します。
上がり框が高い
玄関で特に注意したいのが、上がり框です。
一般的な上がり框でも、20〜40cm程度あることが多いです。若いころは気にならない高さでも、下肢筋力低下がある方にとっては大きな段差になります。
上がり框を上がる時は、片足を上げて、もう片方の足で身体を支える必要があります。つまり、一瞬ですが片足立ちに近い状態になります。
この時にふらつくと、前のめりになったり、後ろへバランスを崩したりすることがあります。特に、外出から帰ってきた直後は疲れているため、昇降時に足が上がりにくくなることもあります。

靴の脱ぎ履き時に支えがない
靴 脱ぎ履き ふらつきも、玄関でよく見られる転倒リスクです。
靴を履く時は、片足を上げたり、身体を前に倒したりします。かかとを入れる、靴紐を結ぶ、靴べらを使うといった動作の中で、バランスを崩すことがあります。
特に、立ったまま靴を履いている方は注意が必要です。片足立ちになった瞬間にふらつき、靴箱や壁に手を伸ばすことがあります。
椅子がない、つかまる場所がない、靴を履くスペースが狭い玄関では、履き替え時の転倒リスクが高くなります。

靴箱を支えにしている
玄関で靴箱を支えにしている場合も注意が必要です。
靴箱が固定されていても、身体を支えるために作られているわけではありません。持ち手の高さが合わない、握りにくい、角に手を置くだけになる、といったことがあります。
また、靴箱の上に物が置いてあると、手をついた時に滑ったり、物が落ちたりすることもあります。
「靴箱につかまっているから大丈夫」と思いがちですが、手すり代わりには危険な場合があります。玄関 手すり 必要かどうかは、靴箱や壁を支えにしている場面が増えているかで判断しやすくなります。
杖を使っていても、壁や家具、靴箱に手を伸ばすことが増えている場合は、こちらの記事も参考になります。
杖だけでは危険なサイン|歩行器や手すりを検討したい転倒リスクとは?

段差・敷居が多い
高齢者 玄関 段差で見落としやすいのは、上がり框だけではありません。
玄関マットの端、敷居、小さな段差、床材の切り替わりもつまずきの原因になります。夜間や夕方など足元が見えにくい時間帯は、さらに危険になりやすいです。
小さな段差でも、足が上がりにくくなっている方にとっては転倒のきっかけになります。本人も「このくらいの段差でつまずくとは思わなかった」と驚くことがあります。
対策として、ミニスロープや段差解消スロープを活用するケースがあります。段差をゆるやかにすることで、足を大きく上げなくても移動しやすくなる場合があります。
ただし、スロープは段差の高さ、玄関の幅、靴の脱ぎ履きスペース、歩行器や杖を使うかどうかによって合うものが変わります。置き場所によっては、逆につまずきやすくなることもあるため、福祉用具専門相談員などに見てもらうと安心です。
雨の日に滑りやすい
雨の日の玄関も注意が必要です。
濡れた床、濡れた靴裏、傘、買い物袋、荷物持ちが重なると、普段よりバランスを崩しやすくなります。
特に、外から帰ってきて玄関に入る瞬間は、靴裏が濡れていて滑りやすい状態です。傘をたたむ、荷物を置く、靴を脱ぐという動作が重なるため、手がふさがりやすくなります。
雨の日だけ外出を控えるようになった場合も、玄関環境を見直すサインです。

玄関転倒が増えるとどうなる?
玄関での転倒が増えると、外出そのものが不安になることがあります。
「また玄関でつまずくかもしれない」と感じると、買い物や通院、散歩を控えるようになる方もいます。外出が減ると、活動量が下がり、足腰の筋力も落ちやすくなります。
また、家族も「外へ出るたびに転ばないか心配」と感じるようになります。玄関は毎日使う場所なので、ヒヤッとする場面が続くと家族の不安も大きくなります。
脅す必要はありませんが、玄関の転倒リスクは「転んでから」ではなく、ふらつきが増えた段階で見直すことが大切です。
玄関で考えたい転倒対策
玄関の転倒対策は、本人の歩き方と家の環境を合わせて考えます。
検討したい対策には、次のようなものがあります。
- 手すり
- 置き型手すり
- ミニスロープ
- 段差解消
- 椅子設置
- 滑り止め
玄関に固定式の手すりを設置する方法もありますし、工事が難しい場合は置き型手すりを検討することもあります。外用置き型手すりとして、スムーディやアットグリップのようなタイプが選択肢になるケースもあります。
ただし、商品名だけで選ぶのではなく、上がり框の高さ、玄関の広さ、屋外階段の有無、本人の握りやすさを確認することが大切です。
椅子を置くことで、靴の脱ぎ履きを座って行えるようになる場合もあります。滑り止めマットを使う場合は、端がめくれてつまずきの原因にならないか確認しましょう。
手すりを検討するタイミングや生活動線の考え方は、こちらで詳しく解説しています。
手すりはいつから必要?転倒予防だけではない“生活動線”を考えるタイミング

実際には“生活動線全体”も大切
玄関だけ改善しても、不十分な場合があります。
たとえば、玄関の上がり框に手すりをつけても、廊下でふらつく、外出時に荷物を持つと不安定になる、杖や歩行器の置き場所がない、ということがあります。
確認したいのは、玄関から廊下、外へ出るまでの流れです。
- 玄関〜廊下
- 外出時の流れ
- 荷物持ち
- 杖・歩行器との相性
- 雨の日の出入り
歩行器を使っている方は、玄関で歩行器をどこに置くか、段差をどう越えるかも大切です。杖だけでは不安が強くなってきた方は、歩行器を検討するタイミングかもしれません。
歩行器おすすめランキング|シルバーカーとの違いと失敗しない選び方5選
夜間に玄関や廊下を通ることがある場合は、足元の暗さや段差も見直しましょう。
夜間トイレで転倒しやすい家の特徴|高齢者が夜に危険になりやすい動線とは?
介護保険で相談できることもある
玄関の転倒対策は、内容によって介護保険で相談できる場合があります。
たとえば、手すりの取り付けや段差解消は住宅改修として検討されることがあります。置き型手すりやスロープは、福祉用具レンタルの対象になる場合があります。用具の種類によっては、特定福祉用具販売として扱われるケースもあります。
ただし、どの制度が使えるかは、本人の要介護認定、家の状況、用具の種類によって変わります。制度説明だけで判断せず、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に実際の玄関を見てもらうことが大切です。
介護保険の更新時期が近い場合や、転倒リスクが増えてきた場合は、更新申請や区分変更申請のタイミングで相談することもあります。
介護保険の更新申請とは?タイミング・手続きの流れ・注意点を元専門相談員が解説
介護保険の区分変更申請とは?タイミングと手順をわかりやすく解説
まとめ:玄関は転倒前に見直したい場所
玄関は、上がり框、靴の脱ぎ履き、靴箱を支えにする動作、段差、雨の日の滑りやすさなど、転倒につながる要素が重なりやすい場所です。
靴箱や壁を支えにしている、靴の脱ぎ履きでふらつく、上がり框の昇降が大変になってきた場合は、玄関環境を見直すサインです。
手すり、置き型手すり、ミニスロープ、段差解消、椅子、滑り止めなどは、本人の状態や家の構造に合わせて考えることが大切です。
転倒してからではなく、玄関でヒヤッとする場面が増えた段階で、早めに相談してみましょう。


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