杖の選び方と種類【転倒予防に専門相談員がわかりやすく解説】

・介護用品 福祉用具

「そろそろ杖が必要かな…でも種類が多くてどれを選べばいいかわからない」
「杖をすすめたいけど本人が嫌がっている」
「杖の高さってどうやって合わせるの?」

杖は転倒予防に非常に効果的な
福祉用具のひとつです。

しかし種類が多く
サイズの合わせ方も知らないと
かえって転倒リスクが高まることもあります。

また本人が「杖をつくのは恥ずかしい」と
嫌がるケースもよくあります。

この記事では、福祉用具専門相談員として15年間、
多くのご利用者に杖を提案・フィッティングしてきた経験をもとに、
杖の種類・選び方・正しい使い方を
わかりやすく解説します。

この記事でわかること
・杖の主な種類と特徴
・本人の状態に合った選び方
・正しい高さの合わせ方
・杖の上手な使い方
・介護保険との関係

杖の主な種類と特徴

① T字杖(一本杖)

最もスタンダードな杖です。

こんな方に向いています
・軽度のバランス不良がある方
・膝・腰に痛みがある方
・少しだけ歩行を補助したい方

特徴
・軽量で持ち運びやすい
・折りたたみタイプもある
・デザインが豊富でおしゃれなものも多い
・介護保険のレンタル対象外(購入)


② 多点杖(3点・4点杖)

接地面が3〜4点になっている杖です。

こんな方に向いています
・片麻痺がある方
・バランスが不安定な方
・T字杖では不安な方

特徴
・接地面が広く安定感が高い
・自立するので置いても倒れない
・T字杖より重い
・屋内での使用に向いている


③ ロフストランドクラッチ

前腕(肘から手首)にカフをはめて使う杖です。

こんな方に向いています
・手首・握力が弱い方
・両腕で体重を支えたい方
・リハビリ中の方

特徴
・前腕全体で体重を支えられる
・握力が弱くても使いやすい
・リハビリ病院でよく使われる


④ 松葉杖

脇の下で支えるタイプの杖です。

こんな方に向いています
・骨折・手術後で片足に体重をかけられない方
・一時的な使用が必要な方

特徴
・完全に片足の体重を免荷できる
・長期使用には向かない
・脇の下の圧迫に注意が必要


⑤ 歩行補助つえ(サイドウォーカー)

両手で持つ大型の補助具です。

こんな方に向いています
・両下肢の筋力が低下している方
・歩行器では不安定な方

特徴
・非常に安定感が高い
・室内での使用に向いている
・介護保険のレンタル対象

本人の状態に合った選び方のポイント

ポイント① 状態に合わせて種類を選ぶ

・少し不安定・膝腰が痛い
 → T字杖(一本杖)

・片麻痺がある・バランスが悪い
 → 多点杖(4点杖)

・握力が弱い・手首が痛い
 → ロフストランドクラッチ

・骨折・術後で片足に体重をかけられない
 → 松葉杖

ポイント② 正しい高さの合わせ方

杖の高さが合っていないと
逆に腰や肩を痛める原因になります。

【正しい高さの測り方】

① 靴を履いて自然に立つ
② 手をまっすぐ下に下ろす
③ 手首の骨が出ているところ(橈骨茎状突起)の
高さが杖のグリップの位置になるよう調整する

✅ 肘が約30度曲がる高さが理想です

⚠️ よくある間違い
「杖が高すぎる」ケースが多いです。
高すぎると肩が上がって疲れやすく
転倒リスクが高まります。

ポイント③ グリップの形を確認する

グリップには
・T字型(一般的)
・グースネック型(手首への負担が少ない)
・オフセット型(体重をかけやすい)
などがあります。

手の大きさや握り方に合わせて
試してから選ぶのがベストです。

ポイント④ 重さを確認する

軽い杖ほど長時間使いやすいですが
軽すぎると安定感が落ちることも。

アルミ製:軽量・リーズナブル
カーボン製:超軽量・高価
木製:重め・デザイン重視

ポイント⑤ 本人が気に入るデザインを選ぶ

杖を嫌がる方の多くは
「見た目が老人っぽい」という理由です。

最近はおしゃれなデザインの杖も多く
・花柄・チェック柄
・スリムでスタイリッシュなもの
・ステッキ風のもの

など本人が「使いたい」と思える
デザインを一緒に選ぶことが大切です。

杖の正しい使い方

平地での歩き方

杖は「痛い側・弱い側の反対の手」で持ちます。

✅ 右足が悪い場合 → 左手で杖を持つ

歩く順番
① 杖を前に出す
② 悪い足(右足)を前に出す
③ 良い足(左足)を前に出す

「杖→悪い足→良い足」の順番が基本です。

⚠️ よくある間違い
悪い足と同じ側の手で杖を持つ方が多いです。
必ず反対側の手で持ちましょう。

階段の上り下り

【階段を上るとき】
① 良い足から先に上る
② 杖と悪い足を上げる

「良い足から天国へ上る」と覚えましょう!

【階段を下りるとき】
① 杖を先に下ろす
② 悪い足を下ろす
③ 良い足を下ろす

「杖から地獄へ下りる」と覚えましょう!


介護保険との関係

T字杖・多点杖は介護保険対象外

T字杖・多点杖などの一般的な杖は
介護保険のレンタル・購入補助の対象外です。
全額自己負担となります。

ただし価格は数千円〜1万円程度のものが多く
比較的手軽に購入できます。

介護保険が使える歩行補助用具

以下の用具は介護保険のレンタル対象です。

✅ 歩行器(固定型・交互型)
✅ 歩行補助つえ(松葉杖・ロフストランドクラッチなど)
✅ サイドウォーカー

⚠️ T字杖・1本杖はレンタル対象外です。
どの用具が必要か迷ったら
ケアマネジャーに相談しましょう。

## よくある質問

Q. 杖はどこで買えますか?

A. ドラッグストア・ホームセンター・介護用品専門店・Amazonなどのネット通販で購入できます。できれば実際に試してから購入するのがおすすめです。介護用品専門店では専門スタッフに高さ調整をしてもらえることもあります。

Q. 本人が杖を使いたがりません。どうすればいいですか?

A. 「杖=老人」というイメージが抵抗感の原因になることが多いです。おしゃれなデザインの杖を一緒に選んだり、「転倒して入院する方が大変」と伝えるのが効果的です。また「ちょっと試してみるだけ」と軽い気持ちで使い始めてもらうのもおすすめです。

Q. 杖を使うと足が弱くなりませんか?

A. 適切に使えば足が弱くなることはありません。むしろ転倒を防いで安全に歩き続けることで足の筋力を維持できます。転倒して骨折・入院する方が筋力低下につながります。「転ばないために使う道具」と前向きに考えましょう。

Q. 杖の先のゴムはどのくらいで交換すればいいですか?

A. 目安は3〜6ヶ月に1回です。先端のゴム(石突き)が摩耗すると滑りやすくなり転倒リスクが高まります。減ってきたらすぐに交換しましょう。交換用ゴムはドラッグストアや介護用品店で数百円で購入できます。

Q. 屋外と屋内で杖を使い分けた方がいいですか?

A. 基本的には1本で兼用できます。ただし屋外で段差や坂道が多い場合は安定感の高い多点杖、屋内ではT字杖という使い分けをする方もいます。生活環境に合

価格・在庫を確認する

以下のリンクには広告・アフィリエイトを含みます。杖は高さ、握りやすさ、先ゴムの状態、本人の歩行能力に合うかが大切です。ふらつきが強い場合は、杖だけでなく歩行器や手すりも含めて専門職に相談してください。

迷ったらこれ:はじめて選ぶ場合は、軽くて扱いやすいモデルや、今の生活動作に合うタイプを選ぶと安心です。

用途に合う商品を、下の商品リンクから確認してください。

はじめて選ぶ場合は、使う場所・本人の状態・介助する人の負担を確認しておくと失敗しにくいです。

まとめ:自分に合った杖で安全に歩き続けよう

杖の選び方のポイントをおさらいします。

✅ 杖の種類は状態に合わせて選ぶ
 ・軽度の不安定 → T字杖
 ・片麻痺・バランス不良 → 多点杖
 ・握力が弱い → ロフストランドクラッチ

✅ 高さは「手首の骨の高さ」に合わせる
 ・肘が約30度曲がる高さが理想
 ・高すぎに注意!

✅ 杖は「痛い側・弱い側の反対の手」で持つ
✅ 歩く順番は「杖→悪い足→良い足」
✅ 本人が気に入るデザインを選ぶことが大切

杖は「弱さの象徴」ではなく
「安全に歩き続けるための道具」です。

適切な杖を正しく使うことで
転倒リスクを大幅に減らし
いつまでも自分の足で歩き続けることができます。

どの杖が合うか迷ったときは
ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に
気軽に相談してみてください。

🚶 杖を使い始めるタイミングは
「転んでから」では遅いことがあります。
「少し不安になってきた」と感じたら早めに検討しましょう。

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