入浴補助用具の種類と選び方【転倒予防・安全な入浴のために専門相談員が解説】

・介護用品レビュー

「お風呂での転倒が心配で…」
「浴槽のまたぎが辛くなってきた」
「介護しながらの入浴介助がしんどい」

在宅介護でお風呂に関する悩みは
とても多くあります。

実は浴室・浴槽での転倒は
骨折や寝たきりにつながる
重大な事故のひとつです。

入浴補助用具を適切に使うことで
・本人が安全に入浴できる
・介助する側の負担が減る
・入浴の自立を長く維持できる

という効果が期待できます。

この記事では、福祉用具専門相談員として15年間、
多くのご利用者・ご家族の入浴環境を
整えてきた経験をもとに、
入浴補助用具の種類と選び方を
わかりやすく解説します。

この記事でわかること
・入浴補助用具の種類と特徴
・本人の状態に合った選び方
・介護保険が使える用具について
・安全な入浴のためのポイント

入浴補助用具の種類と特徴

① シャワーチェア(入浴用椅子)

浴室内で座って身体を洗うための
椅子です。

こんな方に向いています
・立ったまま身体を洗うのが辛い方
・疲れやすい方・立位が不安定な方
・下肢の筋力が低下している方

選ぶときのポイント
・背もたれつきが安定感◎
・肘掛けつきは立ち座りが楽
・足の高さ調整ができるものが便利
・シャワーチェアは軽量で持ち運びやすいものを


② バスボード(浴槽台)

浴槽のふちに渡して使う板状の用具です。
浴槽をまたがずに横から滑り込むように
入浴できます。

こんな方に向いています
・浴槽のまたぎが難しくなってきた方
・片麻痺がある方
・股関節や膝が曲げにくい方

選ぶときのポイント
・浴槽の幅に合ったサイズを選ぶ
・滑り止めがついているものを選ぶ
・耐荷重を確認する(100kg以上推奨)


③ 浴槽内椅子(浴槽台)

浴槽の中に置いて使う椅子です。
浴槽に深く沈まなくても
入浴できるようになります。

こんな方に向いています
・浴槽が深くて立ち上がりが辛い方
・膝や腰に痛みがある方
・深いお湯への恐怖感がある方

選ぶときのポイント
・吸盤式でずれにくいものを選ぶ
・高さ調整ができるものが便利
・浴槽のサイズに合っているか確認する


④ 浴槽用手すり

浴槽のふちに取り付ける手すりです。
浴槽への出入りを安全にサポートします。

こんな方に向いています
・浴槽に入るとき不安定な方
・立ち上がりに手をつきたい方
・転倒が心配な方

選ぶときのポイント
・工事不要で取り付けられるタイプが便利
・浴槽の幅・厚みに合うか確認する
・しっかり固定できるか確認する


⑤ 浴室用滑り止めマット

浴室の床に敷く滑り止めマットです。

こんな方に向いています
・浴室の床が滑りやすい方
・転倒リスクが高い方

選ぶときのポイント
・吸盤式でしっかり床に密着するものを選ぶ
・乾きやすい素材のものが衛生的
・浴槽の中用・浴室の床用と使い分けると効果的

⑥ 浴室用すのこ

浴室の床に置いて段差を解消したり、
滑り止め・冷たさ対策として使う用具です。

こんな方に向いています
・浴室の床と洗い場の段差が気になる方
・冷たいタイル床が辛い方
・浴室内での足元を安定させたい方

選ぶときのポイント
・介護保険の「特定福祉用具販売」の対象
・樹脂製は軽くて水はけがよく衛生的
・複数枚を組み合わせてサイズ調整できるものが便利
・滑り止め加工がついているものを選ぶ

💡 浴室の床が滑りやすい場合は
すのこ+滑り止めマットの
組み合わせが特に効果的です。

本人の状態に合った選び方のポイント

ポイント① 「どこで困っているか」から選ぶ

入浴補助用具は
「どの場面で困っているか」を
起点に選ぶのが基本です。

・浴室の床が滑る
 → 滑り止めマット・すのこ

・立ったまま身体を洗えない
 → シャワーチェア

・浴槽をまたぐのが辛い
 → バスボード・浴槽用手すり

・浴槽から立ち上がれない
 → 浴槽内椅子・浴槽用手すり

ポイント② 複数の用具を組み合わせる

1つの用具だけでなく
複数を組み合わせることで
より安全な入浴環境が整います。

おすすめの組み合わせ例

【立位が不安定な方】
シャワーチェア+滑り止めマット

【浴槽への出入りが辛い方】
バスボード+浴槽用手すり

【浴槽内での立ち上がりが辛い方】
浴槽内椅子+浴槽用手すり

【浴室全体の安全を高めたい方】
すのこ+滑り止めマット+シャワーチェア

ポイント③ 浴室・浴槽のサイズを確認する

用具を選ぶ前に必ず
・浴槽の幅・深さ・ふちの厚み
・浴室の広さ

を測っておきましょう。

サイズが合わないと
せっかく購入しても使えない
ということになりかねません。

ポイント④ 実際に試してから購入する

可能であれば
福祉用具専門相談員に相談して
実際に試してから購入するのが
一番おすすめです。

福祉用具販売店や
介護用品専門店では
試用できることもあります。

ケアマネジャーに相談すると
適切な専門相談員を紹介してもらえます。

## 介護保険が使える入浴補助用具

入浴補助用具の多くは「特定福祉用具販売」の対象です。
介護保険を使うと購入費用の7〜9割が支給されます。

用具の種類 介護保険 備考
シャワーチェア ✅ 対象 背もたれ・肘掛けつきのもの
バスボード ✅ 対象 浴槽ふちに渡して使うもの
浴槽内椅子 ✅ 対象 浴槽内に置くもの
浴槽用手すり ✅ 対象 浴槽ふちに固定するもの
浴室用すのこ ✅ 対象 浴室内に置くもの
入浴用介助ベルト ✅ 対象 介助時に使うベルト
滑り止めマット ❌ 対象外 自費購入となります

利用するための条件

  • 要介護1以上の認定を受けていること
  • ケアマネジャーを通じて申請すること
  • 年間10万円までが支給対象(自己負担1〜3割)

⚠️ 注意:先に購入すると介護保険が使えない場合があります。
必ずケアマネジャーに相談してから購入手続きを進めてください。

## よくある質問

Q. シャワーチェアは介護保険でレンタルできますか?

A. シャワーチェアは「特定福祉用具販売」の対象のため、レンタルではなく購入となります。介護保険を使うと購入費用の7〜9割が支給されます。まずケアマネジャーに相談して手続きを進めてください。

Q. 浴室に手すりをつけたいのですが住宅改修とどう違いますか?

A. 浴室の壁に固定する手すりは「住宅改修」の対象です。一方、浴槽のふちに取り付ける工事不要の浴槽用手すりは「特定福祉用具販売」の対象です。どちらも介護保険が使えますが手続きが異なります。ケアマネジャーに相談してどちらが適切か確認しましょう。

Q. 一人暮らしの親の入浴が心配です。どうすればいいですか?

A. まず入浴補助用具で浴室環境を整えることをおすすめします。それでも不安な場合は訪問介護の「入浴介助」サービスや、デイサービスでの入浴を活用する方法があります。ケアマネジャーに相談すると本人の状態に合ったサービスを提案してもらえます。

Q. バスボードを使うと浴槽に全身浸かれなくなりますか?

A. バスボードを使う場合、浴槽のふちに板が渡っているため全身を沈めることは難しくなります。ただし浴槽内椅子と組み合わせることで半身浴に近い状態で温まることができます。転倒リスクと入浴の質のバランスを考えて選びましょう。

Q. 認知症の方でも入浴補助用具は使えますか?

A. はい、使えます。ただし認知症の方は用具の使い方がわからなくなる場合があります。シンプルな構造のものを選ぶ・使い方を一緒に練習するなどの工夫が大切です。訪問介護の入浴介助サービスと組み合わせることも検討してみましょう。

価格・在庫を確認する

以下のリンクには広告・アフィリエイトを含みます。入浴補助用具は、浴室の広さ、浴槽の高さ、本人の立ち座り、介助スペースに合うかを確認して選びましょう。シャワーチェア単体で検討する場合は、新しい選び方記事も参考になります。

迷ったらこれ:はじめて選ぶ場合は、軽くて扱いやすいモデルや、今の生活動作に合うタイプを選ぶと安心です。

用途に合う商品を、下の商品リンクから確認してください。

はじめて選ぶ場合は、使う場所・本人の状態・介助する人の負担を確認しておくと失敗しにくいです。

まとめ:入浴補助用具で安全で快適なお風呂を

入浴補助用具のポイントをおさらいします。

✅ 困っている場面に合わせて用具を選ぶ
 ・床が滑る → 滑り止めマット・すのこ
 ・立って洗えない → シャワーチェア
 ・浴槽またぎが辛い → バスボード・手すり
 ・浴槽から立てない → 浴槽内椅子・手すり

✅ 複数の用具を組み合わせるとより安全
✅ シャワーチェア・バスボード・すのこなどは
 介護保険(特定福祉用具販売)が使える
✅ 購入前に必ずケアマネジャーに相談する

入浴は身体を清潔に保つだけでなく
心身のリフレッシュにもなる
大切な時間です。

適切な用具を使うことで
「お風呂が怖い」から
「お風呂が楽しみ」に変えることができます。

どの用具が合うかわからない場合は
福祉用具専門相談員やケアマネジャーに
気軽に相談してみてください。

🛁 浴室の手すり設置は「住宅改修」として
介護保険が使えます。あわせてご検討ください。

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