介護保険が使える住宅改修とは【専門相談員がわかりやすく解説】

・制度・保険

「介護保険って住宅改修にも使えるの?」
「手すりをつけたいけど費用が心配…」

実は介護保険を使えば住宅改修費用の
7割〜9割が支給されることをご存じですか?

多くのご家族が「介護保険は介護サービスにしか使えない」
と思っていますが、住宅改修にも使えます。

この記事では、福祉用具専門相談員として15年間、
多くのご家族の住宅改修をサポートしてきた経験をもとに、
介護保険が使える住宅改修について
わかりやすく解説します。

この記事でわかること
・介護保険が使える住宅改修の種類
・支給限度額と自己負担額
・支給限度額がリセットされる条件
・申請の流れと注意点

介護保険が使える住宅改修とは?

介護保険の住宅改修とは、
要介護・要支援の認定を受けた方が
自宅を介護しやすいように改修する際に
費用の一部が支給される制度です。

支給限度額

項目内容
支給限度額20万円(一生涯)
自己負担1割〜3割(所得による)
支給額最大18万円(1割負担の場合)

自己負担額の例

20万円の工事をした場合:

負担割合自己負担額支給額
1割負担2万円18万円
2割負担4万円16万円
3割負担6万円14万円

利用できる条件

・要支援1〜2または要介護1〜5の認定を受けている
・現に居住している住宅であること
・事前に申請していること(事前申請必須)

対象となる工事の種類

介護保険で対象となる工事は以下の5種類です。

1. 手すりの取り付け

廊下・トイレ・浴室・玄関などに
手すりを取り付ける工事です。
最もよく利用される改修工事です。

取り付け場所の例
・トイレの立ち上がり用手すり
・浴槽への出入り用手すり
・玄関の段差昇降用手すり
・廊下の歩行補助手すり

2. 段差の解消

居室・廊下・浴室・玄関などの
段差を解消する工事です。

工事例
・玄関の上がり框(かまち)の段差解消
・浴室の段差解消
・敷居の段差解消

3. 滑り止め・床材の変更

床の滑り止めや転倒防止のための
床材変更工事です。

工事例
・浴室の滑り止め床材への変更
・廊下の滑りにくい床材への変更

4. 扉の取り替え

開き戸を引き戸・折り戸に変更する工事です。
車椅子での通行がしやすくなります。

5. 洋式便器への取り替え

和式トイレを洋式トイレに変更する工事です。
立ち座りが楽になります。

迷ったらこれ:まずは条件や費用を比較し、家族だけで抱え込まない選択肢を確認しておくと安心です。

気になるサービスや相談先は、下のリンクから確認してください。

サービスや相談先を比較する前に、本人の状態・費用・家族の負担を整理しておくと迷いにくいです。

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支給限度額のリセットとは?

基本は一生涯20万円が上限

住宅改修の支給限度額は
原則として一生涯で20万円が上限です。
一度使い切ると原則として追加支給はありません。

3段階リセットの仕組み

実は以下の条件を満たすと
支給限度額が20万円にリセットされます。

条件:要介護度が3段階以上上がった場合

3段階リセットの早見表

住宅改修をした時の状態 リセットされる条件
要支援1 要介護2以上になったとき
要支援2・要介護1 要介護3以上になったとき
要介護2 要介護5以上になったとき
要介護3以上 リセットなし

⚠️ ポイント:要支援2と要介護1は同じ段階として扱われます。
そのため、要支援2から要介護1に上がってもリセットにはなりません。

例外①:転居した場合

引っ越しをして住所が変わった場合も
支給限度額が20万円にリセットされます。

ポイント
・同じ市区町村内の転居でもリセットされる
・転居先の住宅で新たに20万円まで使える
・転居の理由は問わない

例外②:要介護度が3段階上がった場合の注意点


・ケアマネジャーに必ず相談してから申請する

申請の流れ

住宅改修は事前申請が必須です。
工事前に必ず申請してください。

ステップ1:ケアマネジャーに相談する

まず担当のケアマネジャーに
「住宅改修をしたい」と相談します。
ケアマネジャーが必要性を確認し
申請をサポートしてくれます。

ステップ2:事前申請をする

市区町村の介護保険担当窓口に
事前申請をします。

必要書類
・住宅改修が必要な理由書(ケアマネジャーが作成)
・工事費見積書
・改修予定箇所の写真
・工事図面

ステップ3:工事を行う

事前申請が承認されてから工事を行います。
事前申請なしで工事をすると支給されないので注意!

ステップ4:事後申請をする

工事完了後に以下の書類を提出します。

・工事費領収書
・工事後の写真
・工事内容の確認書

ステップ5:支給される

審査が通れば指定口座に支給されます。
申請から支給まで約1ヶ月かかります。

注意点

事前申請なしはNG

住宅改修は必ず工事前に事前申請が必要です。
事前申請なしで工事をしても支給されません。
「先に工事してから申請すればいい」は通用しません。

対象外の工事

以下の工事は介護保険の対象外です:

対象外の工事内容
増改築部屋を増やす・広げる工事
設備の新設浴室・トイレの新設
外構工事庭・駐車場などの工事
福祉用具レンタル・購入で対応できるもの
畳からフローリング(必要箇所でない場合)介護目的でない床材変更

賃貸住宅の場合

賃貸住宅でも住宅改修は利用できますが、
必ず家主の承諾が必要です。
工事前に家主に確認・許可をとりましょう。

複数回に分けて使える

20万円の範囲内であれば
複数回に分けて工事することができます。
一度にすべて使い切る必要はありません。

よくある質問

Q. 事前申請はどこに行けばいいですか?

A. お住まいの市区町村の介護保険担当窓口です。
担当のケアマネジャーに相談すれば
一緒に手続きをサポートしてもらえます。

Q. 賃貸住宅でも使えますか?

A. 使えます。ただし家主の承諾が必要です。
工事前に必ず家主に許可をとってください。

Q. 20万円を超える工事はどうなりますか?

A. 20万円を超えた分は全額自己負担になります。
例:30万円の工事の場合
→20万円分は介護保険適用
→超えた10万円は全額自己負担

Q. 工事業者は自分で選べますか?

A. 基本的に自分で選べます。
ただし市区町村によっては
指定業者のみの場合もあるので確認しましょう。

Q. 要介護度が上がったらまた使えますか?

A. 3段階以上要介護度が上がった場合は
支給限度額が20万円にリセットされます。
また転居した場合もリセットされます。

住宅改修を確認する前に

以下のリンクには広告・アフィリエイトを含みます。住宅改修は、工事前申請が必要です。手すりや段差解消を検討する場合は、先にケアマネジャーや施工業者、福祉用具専門相談員へ相談してください。

まとめ:住宅改修は「早めの相談」が成功の鍵

介護保険の住宅改修は、在宅介護を長く続けるための強力なサポート制度です。

この記事のポイントをまとめます。

✅ 対象工事は6種類
手すり・段差解消・床材変更・引き戸への変更・洋式便器への交換・その付帯工事

✅ 支給上限は20万円(自己負担1〜3割)
最大18万円の給付が受けられる

✅ 必ず「事前申請」が必要
工事前に申請しないと給付対象外になる

✅ 支給限度額は原則1回だが例外あり
3段階リセット・転居でリセット可能

✅ 工事業者はケアマネ経由で選ぶのがベスト
書類作成のサポートも受けられる(ご自身やご家族様で工務店を探して工事されるのは可能ですが、申請書類の内容を把握している・介護保険の工事に慣れている工事業者へご依頼されるほうがスムーズに申請が通ります)


住宅改修は「転んでから考える」のでは遅いことがあります。

「今は元気だけど、少し不安になってきた」というタイミングで、ケアマネジャーに相談するのがベストです。

まずはかかりつけのケアマネジャー、またはお近くの地域包括支援センターに気軽に声をかけてみてください。

📞 地域包括支援センターは全国どこにでもあります。介護保険の申請前でも相談できますよ。


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