親が手すりを嫌がる理由と対処法|無理に工事しなくてもOK

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親に手すりをすすめても、嫌がられてしまう。

「まだ大丈夫」

「そんな工事はいらない」

「家が介護っぽくなるのは嫌」

そう言われると、家族としてはどうしたらいいのか迷いますよね。

転倒が心配だから、手すりを付けてほしい。

でも、本人が嫌がるものを無理にすすめるのもつらいものです。

結論から言うと、手すりを嫌がる高齢者は少なくありません。

無理にすすめるより、本人が受け入れやすい方法を探すことが大切です。

置き型手すりや危険な場所だけの部分設置など、小さく始める方法もあります。

この記事では、親が手すりを嫌がる理由と、無理に工事しなくても始めやすい対処法を介護家族向けにわかりやすく解説します。

親が手すりを嫌がる主な理由

手すりを嫌がる理由は、単なるわがままではありません。

本人なりの不安や抵抗感があることも多いです。

まずは、なぜ嫌がるのかを知ることが大切です。

まだ大丈夫と思っている

手すりをすすめても、「まだ大丈夫」と言う人は多いです。

家の中では歩けている。

トイレにも行けている。

玄関もなんとか上がれている。

そう感じていると、手すりの必要性を本人が感じにくいことがあります。

家族から見るとふらつきが気になっても、本人は「そこまで悪くない」と思っているかもしれません。

家が介護っぽくなるのが嫌

工事すると、家が介護っぽくなると感じる人もいます。

手すりが付くことで、自分の家が急に介護の場所になったように感じる場合があります。

本人にとって家は、長く暮らしてきた大切な場所です。

見た目が変わることへの抵抗は、思っている以上に大きいことがあります。

工事への抵抗感がある

手すりと聞くと、すぐに壁へ穴を開ける工事をイメージする方もいます。

工事の音が気になる。

家に人が入るのが嫌。

費用が心配。

賃貸だから無理だと思っている。

こうした理由で、手すり工事を嫌がることがあります。

ただし、手すりには工事を伴うものだけでなく、置き型手すりという選択肢もあります。

自信を失いたくない

手すりをすすめられることで、「もう自分は危ないと言われている」と感じる人もいます。

家族は転倒予防のつもりでも、本人には自信を失う言葉として届くことがあります。

特に、これまで一人で生活してきた方ほど、手すりを使うことに抵抗を感じやすいです。

本人の気持ちを置き去りにしないことが大切です。

「手すり=できなくなった人」と感じている

手すりを使うことを、「できなくなった人が使うもの」と考えている方もいます。

そのため、高齢者が手すりを使いたがらない背景には、見た目や気持ちの問題が隠れていることがあります。

でも、手すりはできないことを示すものではありません。

今できている動作を、少し安心して続けるための道具です。

無理にすすめすぎない方がいい理由

家族としては、転倒が心配で早めに手すりを付けてほしいと思うものです。

その気持ちは自然です。

ただ、無理にすすめすぎると、親子でケンカになりやすいです。

「危ないから付けよう」と言うほど、本人は責められているように感じることがあります。

その結果、手すりだけでなく、外出や家の中の移動自体を嫌がることもあります。

また、本人の自信低下につながる場合もあります。

手すりは、安全のための道具です。

でも、本人が納得しないまま進めると、せっかく設置しても使ってもらえないことがあります。

大事なのは、すぐ工事を決めることではありません。

本人が「これならあってもいいかも」と思える形を探すことです。

受け入れてもらいやすかった工夫

手すりを嫌がる場合は、いきなり家全体を変えようとしない方がうまくいくことがあります。

危険な場所だけ、小さく始める方法もあります。

状態 合いやすい方法
工事に抵抗がある 置き型手すり
夜だけ不安 部分設置
玄関が危険 上がり框手すり
トイレが不安 L字手すり

危険な場所だけ先に付ける

家中に手すりを付ける話になると、本人の抵抗感が強くなることがあります。

まずは、転倒しやすい場所だけに絞ると受け入れやすくなります。

たとえば、玄関、トイレ、浴室だけ部分的に設置するケースがあります。

「全部変える」のではなく、「ここだけ少し楽にする」と伝えると、押しつけ感が少なくなります。

置き型手すりから始める

工事を嫌がる場合は、置き型手すりから始める方法もあります。

壁に穴を開けずに使えるタイプもあり、場所を変えながら試しやすいです。

玄関やベッド横、トイレまわりなど、本人が不安を感じている場所に合わせて検討できます。

介護保険のレンタル対象になる場合もあるため、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談すると安心です。

「転倒防止」より「楽に動ける」と伝える

家族はつい、「転ぶと危ないから」と言ってしまいがちです。

もちろん、それは本当の気持ちです。

ただ、本人には「危ない人扱いされた」と伝わることがあります。

その場合は、「転倒防止」よりも「楽に動ける」と伝える方が受け入れやすいです。

「立ち上がる時に楽かも」

「夜トイレに行く時だけ安心かも」

「玄関で靴を履く時に少し楽になるかも」

このように、本人の生活に近い言葉で伝えることが大切です。

夜だけ使う方法もある

日中は大丈夫でも、夜だけ不安定になる人もいます。

寝起きは体が動きにくく、足元も見えにくいです。

夜間トイレの時だけ手すりがあると安心、というケースもあります。

毎回使うものと考えず、必要な場面だけ使う道具として伝えると、本人の抵抗感が下がることがあります。

玄関やトイレなど困っている場所から始める

手すりは、本人が困っている場所から始めると納得してもらいやすいです。

玄関で靴を履く時にふらつく。

トイレで立ち上がる時に力が入りにくい。

浴室で壁に手をつくことが増えた。

こうした具体的な場面があると、手すりの必要性を本人もイメージしやすくなります。

手すり以外にも見直したいこと

転倒が不安な時は、手すりだけで考えないことも大切です。

足元照明を増やすだけで、夜の移動がしやすくなることがあります。

動線整理も大切です。

床に物がある、コードがある、マットがめくれるといった小さなことが、つまずきにつながることがあります。

滑り止めも見直したいポイントです。

玄関、浴室、トイレなど、足元が不安定になりやすい場所では特に確認しておくと安心です。

歩行器が合う場面もあります。

家の中や外出時にふらつきがある場合は、手すりだけでなく歩行器も選択肢になります。

上がり框がつらい場合は、玄関手すりや踏み台、置き型手すりを検討することがあります。

トイレでの立ち上がりが不安な場合は、補高便座が合うこともあります。

本人の状態や家の環境に合わせて、必要な場所から少しずつ見直していきましょう。

まだ早いかもと感じる段階でも、転倒しやすい場所だけ先に見直しておくと安心です。

移動や転倒が不安な時に参考になる記事

手すりを考える時は、生活動線全体で見直すと考えやすくなります。

手すりと生活動線

玄関の段差や上がり框でふらつく場合は、玄関環境の見直しも参考になります。

上がり框がつらくなった時の対策

夜間トイレでふらつきがある場合は、足元照明や動線整理も含めて確認しておくと安心です。

夜間トイレが危険になってきた時の対策

トイレでの立ち上がりがつらい場合は、補高便座も選択肢になります。

補高便座はいつから必要?

歩行器をすすめても本人が嫌がる場合は、無理に使わせない伝え方も大切です。

親が歩行器を嫌がる理由と対処法

まとめ

親が手すりを嫌がるのは、珍しいことではありません。

「まだ大丈夫」と思っていたり、家が介護っぽくなるのを嫌がったり、工事への抵抗感があったりします。

家族としては転倒が心配でも、無理にすすめすぎると逆効果になることがあります。

まずは、危険な場所だけ見直す。

置き型手すりから試す。

「転倒防止」より「楽に動ける」と伝える。

玄関やトイレなど、本人が困っている場所から始める。

このように、小さく始める方法もあります。

手すりは、できなくなった人だけのものではありません。

今できている生活を、少し安心して続けるための道具です。

本人の気持ちを大切にしながら、無理のない方法で環境を整えていきましょう。

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